働き方

【働き方】2018年度の確定申告に伴う国税還付金が入りましたので、開業後5年間の書類提出日と入金日を振り返り。

GRIII

本日2019年4月5日、地元の税務署から郵便葉書が届いておりました。毎年確定申告をしている立場としてはいつも通りのことなのですが、個人事業主・フリーランスを目指している方に向けてちょっとしたメモを(法制度は今後変わる可能性もありますのであまり詳しいことは書きません)。

確定申告と国税還付金

プライバシー保護シールが貼っているものでしたので剥がして見ると中身は「国税還付金振込通知書」。2018年度の確定申告で還付金が戻る予定になっていたのでその通知ですね。

「手続開始年月日H31.4.4 (注)入金まで、金融機関の休日を除き4・5日程度要する場合があります。」との記載がありましたので来週あたり入金かと思ったのですが、念のため口座を確認してみると既に入金されておりました。

せっかくなので個人事業主で確定申告をする場合の「還付金」について簡単に説明します。

個人事業主は年間の課税売上額(総売上、年商といった方がわかりやすいかもしれませんね)から経費分、控除分を引いた「課税所得」を基準として「所得税+復興特別所得税」の額を確定申告し、国に納税することになります。

復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%

「復興特別所得税」は2011年(平成23年)の東日本大震災からの復興施策を実行する特別措置法(平成23年法律第117号)で決められたもので、2013年(平成25年)から2037年(平成49年ということになっていましたが元号が変わるので令和19年となりますね)まで所得税に加えて納めることになっています。

所得税率は課税所得によって変わってきますが、たとえば課税所得金額が195万円以下なら5%(控除額は0)、195万円を超えて330万円以下なら10%(控除額は97,500円)などです。

具体例として課税所得金額が300万円であれば「300万円×10%−97,500円=202,500円」。

2018年度に課税所得が300万円あったとしても、2019年3月の確定申告のタイミングで約20万円を納税する必要が出てくるということです。

納税は当たり前のことではあるのですが、個人事業主をしていると何となく「3月にただただ数十万円を払う必要がある」みたいな感覚になりがち。消費税課税事業者であれば消費税もこの時期に数十万円をまとめて納税することになる可能性があるので、事業規模等にもよりますが場合によっては100万近い金額が通帳から消えることも。

個人事業主やフリーランスは通帳を1本でまとめていたりして「通帳の金額がそのまま収入・貯蓄」と考えてしまいがちなのですがその一部は後で納税する必要がある場合がありますから、売上から納税分をしっかりと差し引きして考えておく必要があるということですね。

ちなみに課税所得金額が上がるほど税率も上がりますが、同時に控除額も上がっていくので「335万円になりそうだけれど節税のために330万円に抑える」みたいなことは考えても意味がありません。

もし個人事業主として節税を考えるのであれば「消費税課税事業者」になるかどうかというラインとなる「課税売上額1,000万円」を基準に考えた方が良いです。課税売上額が1,000万円規模だと、ざっくり経費5割程度だとしても約40万〜50万円の消費税を納付することになります。これについては課税売上額999万9,999円と1,000万円では大きな違いが出てきます。

とはいえ事業を成長させていくことを考えるのであれば、課税売上額1,000万円前後でうろうろするよりは飛び越えてもっと売上を伸ばすことを目指す方が良いですよね。

あとは個人的には被災県で生活していることもあって納税すること自体にマイナスの印象はないので(寧ろ経済を回しているという自己肯定感につながっています)、それほど事業規模が大きくないのであれば節税考える時間を商売に使った方が良いかなと感じます。

ということで通常は確定申告のタイミングで「所得税+復興特別所得税」を納めることになるのですが、場合によってはこの時に納税する必要がなく、反対に「還付金」として返ってくる場合があります。

なぜかというと個人事業主の場合「源泉徴収」で事前に納税しすぎている場合があるからです。

個人事業主が法人格を持っている事業者・企業から仕事を受ける場合、売上請求金額が振り込まれる際に予め「所得税+復興特別所得税」相当金額が引かれて入金されます。

引かれた分の税金は、差し引いて入金した事業者が代わりに納税します。これは会社員などでも同じで、給与明細を確認すると「源泉徴収」の欄があるはずです。この場合は勤めている会社が従業員の代わりに納税しているということ。

国が納税漏れを防ぐために、確定申告で一括申告・納税ではなくて、ひとつひとつの取引が発生する毎に「仮計算で徴収して事前納税させる制度」と考えればわかりやすいですね。

それで個人事業主の場合、「源泉徴収」の金額は基本的に「税抜売上金額」から算出します。例えば税抜10万円の売上請求であれば、「10万円×(所得税10%+復興特別所得税2.1%)=10,210円」が源泉徴収されます。

確定申告の際に実際この通りの金額で済めば良いのですが、個人事業主の場合は往々にしてこの通りにはなりません。それは「経費」がかかるからです。所得税は「課税所得金額=売上から経費や控除額を引いたもの」に税率をかけて算出しますよね。

たとえば売上10万円のうち経費が5万円であれば課税所得は5万円。すると本来の納税額も半分程度になるわけです。一つの取引でもこれですから、年間まとめると源泉徴収額と実際の納税すべき額に結構な差が出てくる可能性がありますよね。

この源泉徴収で払い過ぎていた金額が戻ってくるのが「国税還付金」というわけ。

ただし源泉徴収されない取引もありますし、個人事業主と個人事業主の取引であれば源泉徴収する義務がないので、事業形態だったりクライアントがどのような相手かによって還付金が発生しやすいかどうかは変わってきます。

私の場合は少なくとも開業後の5年間は還付金が発生しやすい取引関係でしたので、今回ももある程度の金額が戻ってきたということ。

確定申告書類の提出が早いほど還付金の入金も早い

開業後5年間の確定申告書類提出日と還付金の入金日は以下の通りです。

【2014年度】書類提出=2015.3.16:還付金入金=2015.4.16

【2015年度】書類提出=2016.3.9:還付金入金=2016.4.11

【2016年度】書類提出=2017.3.12:還付金入金=2017.4.14

【2017年度】書類提出=2018.3.8:還付金入金=2018.4.13

【2018年度】書類提出=2019.3.2:還付金入金=2019.4.5

年度によっても多少前後はあるものの、確定申告書類の提出が早ければ早いほど、還付金の入金も早い傾向にあります。凡そ書類提出の1ヶ月後に入金されているイメージ。税務署でも書類到着分から順次処理しているということでしょうね。

確定申告は結構ギリギリになってしまうこともありがちなのですが、還付金が発生する場合で少しでも早く手元に欲しい場合には早めの申告がオススメです。

まとめ

還付金はそもそも「払いすぎていた税金が戻ってくる」ということなので得したというわけではないのですけれど、賞与的な考え方がない個人事業主にとってはちょっとしたボーナスっぽい感覚になるのも確かですよね。

まぁその後に住民税だとか事業税だとか、持ち家なら固定資産税など様々な納税書類が届くので結局還付金相当額は右左で納税に使われることもありがちですけれど。

個人事業主・フリーランスという働き方を選ぶ際にはこのような確定申告や納税のしくみについても学んでおく必要があります。ご参考まで。

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