起業・フリーランス

フリーな働き方をしているからこそオフをオフとして意識的に休むことの大切さ。

フリーランスは果たして自由か。いやいや経営者なのだ。

個人事業主・フリーランスとしての働き方を選ぶと「就業時間」という縛りからは開放されるので自由になる反面、「就業時間が決められていない=ずっと仕事中」ということにもなりかねません。

社会人になったばかりの頃に「経営者感覚になると年中朝から晩まで自分の事業のことを考え続けている」と先輩方やクライアントに聞いたことはありましたが、その意味を実感したのは独立起業してからです。

基本的にはあれこれ学ぶことが好きな性格なので、勤め人だった頃も結構一日中仕事のことを考えていたようには思います。

最近の「ブラック企業」的な論調もさほど気にしない時代だったこともあるかもしれませんが、仕事が私生活の時間帯に入ってきても嫌ではなかったんですね。それでも今振り返るとその質が少し違ったなと感じます。

生活のすべてが「仕事」のアイディアに結びついていく。

自分で経営を考えるようになると、全てのことが自分の事業に結びついて離れなくなってきます。

ブログとかTwitterとかで収益化を考えている方も同じような感覚だと想像しますが、その瞬間瞬間に起こることや考えることに何かヒントがないかと考え続けるんですね。

これは決して悪いことではないです。日常をただぼーっと過ごしていると見逃している事象や、ふと浮かんでは掴みきれずに消えていくアイディアなどをいかに意識的に残すことで、いかに事業の糧としていくのかということなので。

考えて考えて、それが何年何十年と続いてやっと何かを生み出せるということもあるでしょう。特に自分が好きな分野での仕事をしているのであれば(研究とかもそうかもしれませんね)、どれだけ生みの苦労をしても目標の達成が最高の自己実現になります。

ワークライフバランスは「ワーク」が切り分けられてこそ。

この前提はありつつも、ワークライフバランス的な視点からはやはり結構しんどかったりします。

たとえば会社勤めで就業時間が決まっているということは、一面では「拘束」と捉えられるかもしれませんが労働契約の範疇であって給与という対価をもらうわけです。

それはつまり「就業時間(ワーク)以外はプライベート」として完全に分けられるということです。

会社は個人のプライベートには基本的に(コンプライアンスの違反がなければ)関与しませんから、「仕事と私生活」は切り分けられて、そのバランスを取りましょうというワークライフバランスという考え方に行き着きます。

これがフリーランスや個人事業主となると、就業時間は自主的に決めなければありませんから働き方としても「就業時間がない=プライベートとの境目がない」ととれるわけです。

さらにどれだけ仕事に時間を使っても必ずしもそれ相応の対価が得られるとは限りません(事業がちゃんと回らなければ)。

毎月定額の給与が入るわけではありませんから、手にするものも自分次第。となるとアフターファイブ的な感覚や下手すると曜日感覚までなくなりがちです。

就業規則からの自由を目指して独立する方は、実際は会社勤め以上に仕事に入り浸ってしまうかもしれないということも頭に置いていた方が良さそうです。

欲しいのは自由か、仕事か、利益か。ということ。

仕事のまわし方やオンーオフの切り替えに慣れてくれば、1日の中でも細かく「仕事」と「プライベート」を分けられるようになります。

こうなってくると自由な働き方のイメージに近づいてきます。1日3時間だけガッツリやるということも可能です。1年のうち1ヶ月はガッツリ休むということもできるかもしれません。

ただいずれにしてもフリーな働き方をする際に決めなければならないのは「何を優先してどのような生き方をしたいのか」ということ。例えば「自由」「仕事」「利益」のどれをどのバランスで欲しいのか。

「自由」が欲しければ場所や時間に縛られない働き方で気ままに暮らせるような事業設計が必要。

「仕事」で結果を残して自己実現したいのであれば、労働基準に縛られずに24時間365日その目標に自分のリソースの全てを費やすことも可能。

「利益」を追求して金銭的に豊かな暮らしをしたいのであればマネタイズのアイディアと設計について考え続けるためにスピード重視でアクティブな行動をし続けることも可能。

どこにどのバランスで主眼を置いていくのかによって、働き方やオンーオフの考え方も変わってくるものです。どれが良くてどれが悪いということもないので個人個人の考えで決めていくことですが、このあたりが結構ごっちゃになっているとどうしても「利益」的な話ばかりに陥っていきがちです。しかし「働き方」というのはもっともっと自由で良いはず。

中には一生をかけて数学の超難問に挑戦し続けるようなフリーランスがいても良いわけですよね。解けるかどうかもわからないし、その過程は利益にもなりにくいかもしれない。でも知的探究心が自己実現に向かって突き進んでいく。そんな選択もありです。

まとめ:個人的にはオンとオフを決めた方が精神的には豊かな働き方ができていると実感。

ということで冒頭の写真。岩手県盛岡市黒川のりんご畑の中にある「mi cafe(ミ カフェ)」に妻と妹と3人で行ったときの1枚。

私の場合は企画業主体ということもあり基本的には1日中ずーっと何かしらヒントを探して考え続ける癖があるので、意識的に「オフ!」と決めないとなかなか休まらないんですよ。リフレッシュができないというか。携帯片手にしてるとTwitterチェックしてしまったり、それも結局仕事につながる意識的なものだったり。

気がつくと疲れが溜まっていることもあり、今回は半日ゆっくり、昼は蕎麦食べて、その後りんご園でお茶して、さらに和菓子屋でお茶菓子買って帰るという「完全オフ」でリフレッシュしてきました。(できる限り)携帯も気にしない!

たまにこういう時間を意識的に作ると「あれ、自分なんのために働いていたんだっけ」と見つめ直すことにもつながります。

こういうゆっくりとした時間を過ごせるように稼いでいたはずなのに、意外と自由を大切にしていなかったかもなぁとか。年をとるごとに仕事中心の生き方が段々普通になってきますからね。自分というものも肩書に縛られてきたり。

そう考えると「社会的な立場を全く抜きにした人間関係や私生活」みたいなものって貴重かもしれません。

フリーな働き方をするなら尚更。オンオフの切り替え大切にしましょうね。

 

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