広告業界

SNS時代の広告投下と現金投下。ZOZO前澤さんのツイートから考える。

ZOZOの前澤さんのツイートが新年早々話題になっていますね。年末のPayPayのポイント還元キャンペーンも盛り上がりましたけれど、こちらは「現金100万円を100名にプレゼント」というかなり直接的な話。

一晩でとんでもないRTとフォロワーを獲得したこのツイートについて、少し解説・考察してみます。広告業界向けではなくて一般の方向けに書きますのでできるだけ専門的な用語は使わないように心がけます。

また、このツイート自体の締切は2019年1月7日となっていますので記事を書いている段階ではまだ途中ですから結果がどうなるかとかリアルタイムでどれだけ増えるのかどか未確定の部分もありつつの考察である点はご了承ください。

広告投下か現金投下かという問題について。

まずシンプルな疑問としては「同じ1億円を使う場合に、媒体に広告を投下するのとSNSを通じて現金投下するのとどちらがPR効果が高いか」ということになりますよね。

この前提となる広告宣伝費の考え方について簡単に見ていきましょう。

「1億円」という広告宣伝費はZOZOクラスの企業にとってはそれほど大げさなものではない。

まず大前提として、「1億円」という金額は個人レベルの感覚だととてつもなく大きい金額には見えますが、大企業にとっての広告費としてはそれほど大きいものではありません(小さくもないですけれど)。

広告会社にいた頃の経験からすると、業種や事業規模によって差はあるものの、ざっくり「年間売上の5〜10%が広告宣伝費の目安」といえばそれほど外れてはいないはずです。

ZOZOの場合は年商約1,000億円とすれば50億〜100億円が広告宣伝費の目安となりますから、1億円というのはそれほど多いものではないということになりそうです。

ちなみに地方の中小企業でも年間数千万〜数億円の広告費を計上している企業もあります。

また、地方自治体のHPでコンペ情報を見ていただければわかりますが事業予算は数百万円〜数千万円の幅があって、その中には「PR費」としてCMを制作して流したり、広告を作って新聞に掲載したりという条件が入っていることも少なくありません。

ということで、広告業界では「数千万〜1億」というボリュームは「デカすぎるというものではない」という認識が大切です。

というのも今回の前澤さんのTwitterで大切なのは「1億円配るの?」という驚きではなくて、「この金額でこれだけ効果を出せるのか!すごいな!」という驚きだからです。

広告宣伝費は「絶対値」ではなくて「年商比率」を目安として考える。

「1億円」という金額はZOZOの年商から計算すると高いものではない。

「なぜ広告宣伝費はそれほど高いのか」に対する答えは「コスパを考えると高くない」。

とはいえ「いやいや広告ってなんでそんなに金かかんのよ」という疑問もあると思います。年商の比率から考えるとそれほどではないとしても、絶対値としての「1億円」はインパクトありますからね。個人にとっては一生に1度も当たらない宝くじレベルですから。

このあたりの細かい部分は広告業界の歴史だとか仕組みだとかを紐解いていく必要もあるのでここでは割愛しますが、ざっくり言うとクライアントは「自社の商品やサービスを売るためにコストパフォーマンスが良い方法で宣伝したい」わけです。コスパです。

つまり「高く見える広告費も、効果から逆算するととてつもなく安い」ということ。絶対値としての「1億円」についても「高い」という先入観を捨てる必要があります。

例えば1個1,000円の商品を売るのに30万円かけてCM素材を作って、120万円かけてCMを流したとします(CM素材を作るのとCMを流すのはそれぞれ別の費用がかかります)。広告宣伝費は150万円です。地方だとこのくらいの小さい案件もありますよね。

これだとCMを流した結果、1,500個売れれば売上150万円でトントンです。クライアント的にはトントンだと利益ゼロなのであまり良い結果ではありません。

ただしCMを通してファンが増えてリピート購入も中長期的に増えていくこともあります。結果的にCM放送後のある期間で例えば3万個販売できたとすればこのCMの効果は十分にあったということになりますよね。

売上3,000万円ですから、1個売るための経費が20円。1,000円の商品の利益が300円としても6.7%。150万程度の広告宣伝費で売上3,000万円上げられるというのは地方レベルだとかなり凄い話ですが、例えば1週間の物産展催事などでは結構リアルな数字かもしれません。CMと新聞などの組み合わせで数百万、売上目標数千万〜1億程度など。

いわゆるマーケティングだとかブランディングだとかについては、このあたりをどのように目標を立てて戦略設計していくのかが大切になります。CMの位置付けを商品PRと置くのか、企業PRも兼ねるような形とするのか、SNSのフォロワーを増やす方向にするのか、などなど。最終的にはクライアントの企業価値が高まって、利益も十分に上がれば成功ということです。

コスパについて単純に考えてみると「商品1個売るためにどれだけ広告費がかかるのか」が重要ということ。

ちなみに「どうせ芸能人の出演料が高いんでしょ」みたいな声も聞こえてきますけれど、それでも良いんです。芸能人の知名度を考えると、それで商品やサービスやクライアントのファンが増えて利益に繋がるならコストパフォーマンスが良いからです。芸能人の方々の人気やイメージをお借りして企業利益につなげるわけですから、それに見合った出演料がかかるのは当然ですよね。

広告宣伝費は「絶対値」ではなく「コスパ・単価」で考える。

「1億円」の効果が「数十億〜数百億」になることも。

TVCMや新聞広告が広告宣伝費の投下先として優位である理由。

「広告」といえば「CM」とか「新聞広告」とかのイメージが強いと思います。

新聞・ラジオ・雑誌・テレビはかつて「マスコミ4媒体」とか「4大メディア」とか言われてきました。これらは基本的には一方的な情報発信をするメディアですが、情報が届く人数がとてつもなく多いので強い影響力を持ってきたわけです。

例えば「視聴率」。これには「世帯視聴率」「個人視聴率」というものがあります。

「世帯視聴率」はテレビがある世帯のうちどのくらいの世帯がテレビを付けてその番組を見ていたかという割合(正確には見ていたかどうかはわからないので「テレビを付けていた」世帯の割合ですが)。一般的には「視聴率」と言えば「世帯視聴率」のことになります。

「個人視聴率」は4歳以上を対象として、個々人の性別や職業などの情報まで含めて誰がどの番組を見ていたかを調査して視聴率を出すもの。

ただ時代的に視聴習慣も変わってきていて、例えば録画した番組を1週間以内に観た場合には「タイムシフト視聴率」として積算して、通常の視聴率と最終的に統合して数値化するような試みも始まっています。

この「視聴率」というのがテレビの影響力の根拠になるので少し具体的に見ていきます。

最近では2018年の紅白歌合戦の瞬間最高視聴率が45.5%というニュースが流れていましたね。

日本の世帯数をざっくり約5,000万世帯、平均世帯人数を2.5人とすると
5,000万世帯×2.5人×45.5%=56,875,000人
つまり「5,600万人以上がこの瞬間に紅白歌合戦を見ていた」可能性があるということです。

これとんでもないことだと思いませんか。仮に視聴率1%だとしても125万人です。岩手県の総人口とほぼ一緒ですよ。

テレビで紹介された商品が一瞬で売り切れになるというのも頷けますよね。視聴率1%で125万人が見て、そのうち0.001%が購買行動を起こしたとしても1,250人。地方商店レベルだとたったこれだけのアクセスで1日の在庫が切れることもあるかもしれません。これが視聴率10%で、購買行動を起こす確率が高まれば瞬間的な消費行動が格段に上がります。

視聴率低迷がどれだけ叫ばれても1%のインパクトはまだまだ大きい。それはつまり「コスパが良い」に直結します。だから広告宣伝費をTVCMに投下するということがまだまだ選ばれているわけです。マスコミ4媒体の残りの媒体の影響力が強かったのも基本的には同じ理由です。

ちなみにTVのスポンサーとなるクライアントは当然ながら「視聴率」を重視します。同じ広告費を投下するなら視聴率が高い番組に投下した方が届く数が増えるからです。だからTV局も視聴率競争をします。これは「見られた!良かった!」という単純なものではなく「視聴率=収入」に直結するからです。クライアントにとっては誰も見ていない媒体に広告費を投下するのは無駄ですから。

さらに補足すると、広告というのは「確率」です。どれだけ多くの人々に届いて(リーチして)、その中でさらにどれだけ多くの人々が行動を起こすのか(アクションする)。その行動も2次的な情報拡散行動であったり、購買行動であったり。最終的にはクライアントの商品やサービスが「売れる」ことにどれだけの確率で繋がっていくのかが戦略デザインになります。

広告宣伝費の投下先にマス媒体が選ばれるのは「圧倒的な数」に届くから。

広告は「確率」である。この確度をどう高めていくのかという戦略が重要。

マス媒体の課題は「信憑性」と「確度」。本当にどれだけの人が見ているのかはわからないから、ウェブ広告へシフトし続けている。

マス媒体には課題もあります。例えば「TVCM自体をどれだけ見られているのかは測定できない」ということ。これはラジオCM・新聞・雑誌広告でも同じです。

例えば番組視聴率に対して「高視聴率番組にCMを投下すれば見られる可能性が高いですよね」ということになる一方で、「あれ、でもCMの時ってみんなトイレ行ったりしないの」みたいなことが起こりうるんです。新聞広告でも「本当に広告欄見られているの?」ということになります。

これも確率論で、母数が多ければ多いほど見る可能性も高いですよねというのが答えです。TVCMを投下する際の視聴率であれば「累積1,000%の視聴率を得られればそのエリアに住んでいる人たちは凡そ1度はCMを見て認知した」と言われます。

このあたりがネット広告だとある程度正確に計測できるので、ここ10年程で広告宣伝費の投下先が大きくシフトし続けているということですね。実際に広告動画を見てクリックすれば正確な1カウントができますし、細かいターゲティングもできます。広告動画のどこで離脱したのかまでわかります。

前項では確率の話をしましたが、最終的な売上数を上げるには、最初に広告が届く人数を最大化するか、広告を受け取った人たちが行動を起こす確率を上げるかになりますよね。ネット広告ではターゲティングをしっかりとすることで行動を起こす確度を格段に上げることができるわけです。

さらに「確度が高まる」ということは「余計なコストをかけなくて良い」ということにもつながります。TVCMや新聞広告を通して100万人にPRできたとしても、その中にターゲットとなる層がどれだけいるのかは細かくはわかりません。もしかしたら90万人分は関係ない人かもしれない。

であれば、ターゲットを絞って10万人に届けられるウェブ広告の方が確度が高いのでは。という話になりますよね。これが費用感として「コスパが高い!」となればウェブ広告を選ぶ必然性がありますよね。実際のところ、世の中の流れとしてはマス媒体よりもウェブ広告に広告宣伝費は流れ続けています。

長らくマス媒体を中心として売り上げを上げて来た広告業界にとってもこれは脅威で、既に10年以上前から(もっと前かも)このシフトに対する戦略的な対応を続けています。特に超大手の広告会社は既に「広告枠を売るという広告代理店」イメージから脱却して「総合PR会社、ブランディング企業」のようにマス媒体に依存しない(媒体が変化しても対応できる)体制を整えていますよね。多くは「広告代理店」という言い方はやめて「広告会社」という言い方にしているはずです。

その一方で、旧来の広告会社を追い越す勢いで新興のウェブ広告会社勢が急伸しているということも忘れてはなりません。

旧来のマス媒体は「圧倒的な数」による「コスパ」が大きな強みである一方、システムとしてどうしても「細かいターゲティングや効果測定ができない」。

ウェブ広告は「細かいターゲティングや効果測定ができる」ことによる「確度向上」で飛躍的に「コスパ」を高められる。

広告投下か、現金投下か。今回のツイートはとんでもない戦略効果。

さて、ここでやっと本題です。今回のZOZOの前澤さんのツイートをもう一度見てみましょう。

 

これまでまとめてきたポイントからこのツイートを見るとわかりやすいのではないでしょうか。議題としては「広告投下か、現金投下か」としていましたが、結局のところ「コスパ」という視点で見れば良いということです。

まず、TwitterというSNSを広告媒体として活用していますよね。前澤さんはこれまでTwitterを活用して、事業についての情報や月旅行のニュースなどを積極的に発信してきました。結果として、前澤さんのツイートを通して何らかの行動を起こしたり、良くも悪くも引用RTで二次的に情報拡散をする人々と既につながっています。

件のツイートの前のフォロワー数を100万人として、前澤さんのアカウントは既に視聴率1%程度の影響力を持ったメディアだったわけです。さらに細かく言うとターゲティングは自動的に済んでいますし、二次的なRT拡散も期待できるわけで実際の影響力としては視聴率換算で数%に上がるはず。さらにさらにTVニュースでも取り上げられていることを考えるとこの数字はもっと高くなります。

つまり今回のツイート以前に「コスパが良い」媒体として前澤さんはご自身のTwitterアカウントを既に育てられていたということ。ツイート自体の予算は実質ゼロですからね(前澤さんご自身の時間単位の人件費はかかるにせよ)。

そしてこの状態で1億円配布のツイートです。一夜にしてさらに100万人以上のフォロワーを得たわけです。150万人以上かな。最終200万人以上増えて合計300万人超える勢いですかね。この数字は刻一刻と変わるのでざっくりにしておきます。

少なくとも新規の100万人以上が「最初のアクションをした」んですよ。RT数だけ見れば既存フォロワーも含まれますから既に200万RTを超えています。

これが戦略として凄い点がもう一つあって「フォロー&RTだけでOK」であることです。ハッシュタグをつけてツイートしなくても良い。引用RTで何かコメントを残さなくても良い。ただ「フォロー&RTだけでOK」。これは行動誘引の敷居が非常に下がります。

さらにどんなに簡単なアクションでも「何かしらのアクションを前澤さん(=ZOZO)にした」ということ自体が、今後のZOZOに対する購買行動を含めたアクションの引き金になります。

しかもツイート内容は「ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を先ほど突破!!」というコピーから始まっています。これ完全に宣伝文句です。ZOZOTOWNの人気を裏付ける数字とともにTwitterという広告媒体を通してPRしたわけ。そこに「フォロー&RTだけで100人×100万円=1億円」というキャッチーな「おまけ」をつけることで爆発的に拡散したということです。

いいですか、このツイートの本質は「1億円」ではなく「ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を先ほど突破!!」の拡散です。

このツイートはれっきとしたZOZOTOWNのPR広告なんです。コスパ最高の。

1億円の裏付けとして「100億円さっき突破したよ!」ですからね。ZOZOTOWNへ誘導される人も多いと思いますよ。確率的にも。

もちろん一時的なRTのみで離れるアカウントもあるでしょうけれど、前澤さんは次も何か面白いことをするだろうなという期待感は維持されるはずなので、結果発表後にフォローを外す人は比較的少ないのではないかなと予想します。

これ同じことをマス媒体でやろうと考えるとめちゃくちゃ難しいですよ。たった一晩で100万人のフォロワーを増やすわけですから。仮に150万人だとしても1億円なら約66.7円/人。フォロー&RTまで行動することを考えると安いですよね。RTに限れば200万RT以上ですから50円/人をきっています。

しかも既にセールだけで100億円売れているわけですから、ここから追加の広告宣伝費として1億円を捻出するとしてもたった1%で済むんですよ。既に相当の広告宣伝費を投入しているとは思いますが追加費用としては全く大したことがありません。

ということで「広告投下か、現金投下か」という問題についてなのですが、少なくとも今回の前澤さんのツイートに関しては「一見すると現金投下に見えるけれど、Twitterアカウントを媒体として育てた上での広告投下だよね」というのが個人的な考察です。

前澤さんのツイートは「現金投下に見えるがれっきとしたPR広告」。

新春セール売上比に限ったとしても1%以下の広告宣伝費で100万人以上のフォロワーがついて200万RT以上されてコスパ最高。

果たして現金投下戦略に再現性はあるのか。ということについて。

ちなみに同じような現金バラマキの方法論は他にも見られますが、今回の件についてはそれらと一緒にしない方が良いと感じます。一般的な「個人に近い人」がやっているバラマキは怪しいものもありますし裏があるでしょうし。RTする側もただ「現金が欲しい」だけの人で一瞬で過ぎていくはずです。

2018年末のPayPayのようなお祭りもありましたが、これはいくつかの条件が重なりますよね。アプリダウンロードだとか、指定店での購入だとか、買った上での還元率の確定だとか。キャッシュレス決済の展開に瞬間的にでも勢いをつけたことは確かですけれど、その後のクレジットカード被害だとかも含めて社会的にちょっとした疑念を残したのも確か。

この前置きがあって、前澤さんのツイートは「フォロー&RTだけ」というわかりやすさ。お祭りの参加者は基本的にリスクゼロで楽しめるのでこれだけ広まったということもあるでしょうね。

ちなみに「フォロー&RTだけ」というのは他でもよくやっていますが、前澤さんの場合はこれまでのご自身のツイートの流れだとか、似たような他のキャンペーンに対する社会的な認識だとか、様々な前提条件があってのこのツイートだからこその爆発でしょう。前澤さんは既に世界的な有名人という立場もあり、ZOZOという会社を背にしたツイートであることから信頼性も高い。だからこそRTする側もZOZOや前澤さんをネットやメディアを通して知っている上で信頼してRTしているはず。これは完全に広告手法ですよね。

あとは他のクライアントで真似しても同じ結果が出るかといえば難しいでしょうね。前澤さんは富豪としてのイメージが完全についてしまっているので「彼ならやりそう」とみんな考える。これを他の人がやっても整合性がないただのバラマキです。

もしかすると前澤さんは「売上記録も出たし、日頃の感謝を伝えるために配っちゃえ! 面白そうだしみんな楽しんでくれるはず!」くらいの粋な勢いで決めた可能性もあるのではないかなと感じますが(単なる想像です)。でも戦略としてもタイミングとしても最高です。誰か裏に仕掛け人がいるのであれば凄い策略家ですけれど。

まとめ

昨日の今日のお祭りの真っ只中での簡易的な考察ですけれど、前澤さんの今回のツイートは広告的に見るべきというのが個人的な解釈です。一般的にはシンプルに「面白い流れだなぁ」「お祭りだ!」と楽しむ感じで良いと思いますが。

個人的には1億円規模の事業案件はいくつか手がけたことがあって、その時のことを振り返ると同じ1億円での影響力とか効果ってどうなのかなと比較して考えさせられたりもします。

たとえば1億円の事業で地域産品の売り場を期間限定で開設して運営したとしても、予算となる1億円以上を売り上げることって結構難しいものなんですよね。であれば、同じ1億円を地域事業者に分配して東京のど真ん中で予算尽きるまでみんなで配り続けるようなPRの方が良い場合ってあるんじゃないか。とかね。この例はちょっと極端だけれど。

いずれ同じ予算を投下する中ではどれだけコスパが良いかということをクライアントは重要視するし、企画を立てる立場としては狙っていかなければならないということ。中には広告は水物だとか、仮に賞を取っても腹の足しにもならないとか色々な批判もあったりするけれど、様々な意見は真摯に受け止めつつクライアントファーストで結果出していくことが求められているということですね。

そう考えると今回の前澤さんのツイートは結構なインパクトなんですよ。クライアント自身がSNSをメディアとして育てた上で、広告素材も何も金かけないでPRコピーと一緒に1億円を現金で配るだけで爆発的に拡散しているわけですから。

見たままだとすればあれこれこねくり回してないですよね。今回の結果がどうなるかによって、下手すると「マーケティングだとかデザインだとか表現だとか細かいこと言わずにさ、配りゃいいのよ! 現金を!」と受け取られかねない(笑

まぁ個人的にはこの記事で述べてきた通り極めて広告的な手法だなと感じているので単純な現金投下という認識ではないですし特に批判的な感覚もありません。すごいなぁと感心するばかりです。以上、長々と書いてしまいましたがZOZO前澤さんの1億円ツイートについての簡易考察でした。ではでは。

※2019年1月8日9:00追記

最終的に560万RTを超えて世界記録まで出してしまったと。。

年始からマーケティング界隈がざわつくことになっていますね。

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