ゴジラ

【ゴジラ生誕65周年】イノウエアーツの『初代ゴジラ(パラダイス版)』が自分にとっては宝物。【ゴジラの日】

初代ゴジラ 1954 イノウエアーツ パラダイス

11月3日は「ゴジラの日」。1954年11月3日に『ゴジラ』(以下、『初代ゴジラ』と表記します)が公開されてから今日で65周年になるんですね。

東京や大阪ではゴジラの誕生日を祝うイベントが様々開かれているようですが、東北の片田舎に住む私はTwitterのタイムラインを追いながら、自宅のゴジラフィギュアを眺めて過ごそうと思います。

さて、『シン・ゴジラ 第4形態 雛形レプリカ』を自分自身の誕生日記念として購入したのが今年の5月。これをきっかけに子どもの頃のゴジラ熱が再燃いたしまして、当時は買えなかったフィギュアや書籍などを色々と集め始めました。

庵野秀明プロデュース シン・ゴジラ第4形態 雛型レプリカフィギュア
【ゴジラ】『シン・ゴジラ第4形態 (2号)雛型レプリカフィギュア』でゴジラ沼にハマる。今年は自分の誕生日にかこつけてゴジラ関連の書籍やらフィギュアやらに手を出し始めました。これまでこういうトイ関係で蒐集していたものは特にな...

ブログでは雛形レプリカの他は『ビリケン商会 GODZILLA 1954(初代ゴジラ)』を商会したのみでしたが、その後2〜3ヶ月間でゴジラだけでも大小合わせて(食玩やガチャなども含む)50体以上に増えてしまいまして、一旦コレクションを止めようという程度になっています。

たまに思い出したようにポチってしまうこともあるのですが、ちゃんとした棚を買わないと既に置くところがないんですよね。。フィギュア系の蒐集って総じて同じなのかもしれませんが、ゴジラ沼もなかなかに深いものだなと。。

ビリケン商会 初代ゴジラ
【ゴジラ】シン・ゴジラ造形との縁が深い『ビリケン商会 GODZILLA 1954(初代ゴジラ)』。シン・ゴジラの造形が生み出される際、庵野監督が「これが最もイメージ近い初代です」と私物のフィギュアを持参してきたというエピソードを『ジ・...

ただ財布とスペースには優しくないものの、昔の雑誌などに目を通しながら当時のフィギュアを実際に目の前で見て触りながら時代を感じてみたりするのは面白いものです。

自分が生まれたのが1983年で、映画館で最初に見たゴジラ映画は1989年公開の『ゴジラvsビオランテ』。そうすると1954年の初代ゴジラから約35年間の怪獣ブームの変遷は知らないわけですよ。

だからこそ『シン・ゴジラ』をきっかけとして、改めて1954年からの流れを追っていくというのは歴史を学ぶという点で面白いんですよね。当時の文献やソフビ・フィギュアなどのおもちゃを手に調べていくのはどこか考古学的な感覚もあったりして。

特に『シン・ゴジラ』は流石庵野秀明監督といいますか『初代ゴジラ』をはじめとした過去のゴジラ作品へのリスペクトとオマージュに溢れていますから、その仕掛けを紐解いていく楽しみ方もできるというのは改めて素晴らしい作品だなと感じるばかりです。

「東京モーターショー2019」の豊田章男氏の言葉。

少し話が逸れますが、先日「東京モーターショー2019」の特別トークでトヨタCEOの豊田章男氏のこんな本音が話題になっていました。「社長自身が乗ってみたい新しい車とは何ですか?」という質問に対する回答です。

ガソリン臭くて、燃費が悪くて、音がいっぱい出て、そんな野性味溢れた車が好きですね。

立場上、燃費は大事ですと言っていますけれど、心の底では、車というのはそういうものだと思っているんですよ。古い人間ですけど。

これを聞いた時にどこか『シン・ゴジラ』を作った庵野監督に似ているなと感じたんです。

つまり企業やブランドが大きくなればなるほど商業的・経営的な縛りが強くなって面白くなくなりがちなわけですが、それを突破するのは本当にマニアックなファンの要素を強く持っている人であるのだろうなと。

消費者の立場としても作品でも車でも興味の対象への思いが強ければ強いほど、マニアックな要素を前面に出したある意味で飾り気のない「芯」が太いものを求めているはずなんですよね。

または広く一般には受け入れられない可能性があるとしても、結果的に中長期的にファンでい続けてくれる層を厚くしていくにはたまにこのような恐ろしいほどのファンがトップに立ってブレイクスルーをしてくれるということが必要なのかもしれません。

そういう意味で『シン・ゴジラ』という作品が生まれたことは時代のエポックだったと思いますし、これまでゴジラ作品に触れたことがなかった人たちにとっても改めて興味を持つきっかけになったのだろうなと。

特に私も含めて『初代ゴジラ』が公開された時には生まれてもいなかった層が今やかなり厚くなっているわけで、戦後と震災後の比較も含めて時代というものを考えるための教材にもなっているように感じます。

『イノウエアーツ』の伝説的原型師・井上雅夫氏。

さて、ゴジラ65周年の今日という日に紹介するならどれにしようかなと考えたのですが、私が現在所有している中ではやはりイノウエアーツ の『初代ゴジラ』になりますね。

「イノウエアーツ」というのは往年のガレージキットファンであれば誰もが知っている名前ということですが、私自身がこの名前を知ったのはゴジラフィギュアを集め始めてからのことです。今や大ファンの1人ではあるのですけれど、私のようにこれからハマっていく方もいるかと思いますので簡単にご紹介しておきます。

尚、今現在、井上雅夫氏の情報はデスクリサーチレベルだと非常に手に入りにくい状態になっています。

インターネット上で最も詳しくまとめられている場所としては『PAOPAO WONDERLAND』というサイトの中のコンテンツである『GODZILLA SIDE SPECIAL イノウエアーツ の世界』のページでしょうか。

トップページに「Netscapeを推奨します」と書いていますので時代を感じますが、イベントレポートは現在も更新されています。

サイト全体の情報量がデータベースとして素晴らしいので目を通しているだけでも楽しいです。

ちなみにジオシティーズ時代の個人ホームページってたまにこのサイトのような熱くて情報量が多いものがあったのですが、ジオシティーズ終了とともにかなり消失してしまいましたよね。。

リンクフリーになっていましたのでご参考まで。

上記の参考サイトを見ていただくのが最も早いのですが、「イノウエアーツ」は原型師の井上雅夫(いのうえ ただお)氏のメーカー名です。屋号と言ってもよいでしょうか。

井上雅夫氏は『初代ゴジラ』が公開された1954年生まれで、1982年以降のガレージキット創成期に業界そのものを変えるほどの数々の名作を作り続けた伝説の原型師です。

1982年に『バンザイモスゴジ』を発売した時には「イノウエ工房」というメーカー名で、1983年以降(『メカゴジラ』以降?)「イノウエアーツ」という名称になっているようですね。

「イノウエアーツ」のゴジラ関連の作品自体は1990年代に入ってからほとんど発売されておらず、現在手に入るものは1980年代の作品となります。メーカーによって原型を復刻するような形で再販する場合もあるようなのですが、井上雅夫氏は1992年に原型師の世界から身を引かれたそうで、今の時代にやっとイノウエアーツに辿り着いた立場としては当時の熱狂が体験できなかったのが惜しいところです。

また過去の作品を細かく分けていくと時代によって呼称が違うのだと思いますけれど、最近になって当時のことを勉強している私の中では「イノウエアーツ」という言葉で井上雅夫氏とその作品群をまとめてイメージしている状態です。ネット上で作品を探していても「イノウエアーツ」という名称でまとめられている場合が多いように感じますね。

ガレージキット自体の変遷については書籍だと『海洋堂クロニクル』『海洋堂マニアックス』あたりに詳しく載っていますね。

著者のあさのまさひこ氏はたまにイベントでの発言で炎上したりしているようですが、個人的にはこの2冊の情報濃度を知ると「著者に対して食わず嫌いせずに取り敢えず読んだ方が良い」と思います。

特に『海洋堂クロニクル』はガレージキット創成期を知らない自分にとっては非常に勉強になりました。

ガレージキットというものは基本的にはキットを買った個人が自分で組み立てて塗装して初めて完成するので最終的な出来については個体差がかなり大きいと思いますし、現状で私が持っているのは塗装済完成品として入手した3体だけなので言えることはそれほど多くないのですけれど、今の時代の感覚からしても『イノウエアーツ』の作品は圧倒されるほど素晴らしいのは確かです。

イノウエアーツ の『初代ゴジラ』は個人的に初ゴジ造形の決定版。

イノウエアーツ 初代ゴジラ 1984 パラダイス

私の手元にあるイノウエアーツの作品は『初代ゴジラ』『立ちバラゴン(50cm)』『四つ足バラゴン(32cm)』の3体。いずれもキャスト版ではなくてソフビ版です。

この中でも『初代ゴジラ』の造形は非常に格好良くて好きなんですよね。今日「ゴジラの日」にコレクションから1体選ぶならこれしかないなと思うわけで。

このソフビキットは元々『水爆大怪獣東京上陸』という名称で55cmのキャスト版がイノウエアーツから発売され、その後にパラダイスとファルシオンというメーカーからいずれもこの同じ原型をもとにしたソフビキットを発売したという経緯があるようです。

最初に見た時に造形としては見たことがあるようにも思えたのですが、これは「東京マルイ」から発売されていた「RCゴジラ」という初代ゴジラのラジコンの原型としても使われていたからだということがわかりました。このゴジラのラジコンは記憶に残っています。

ちなみにゴジラのラジコンの最近の話題だとディアゴスティーニで『週刊 ゴジラをつくる』が2019年8月27日創刊ということで全100号!(ゴジラ自体は80号で完成し、75号以降はジオラマパーツが提供されるとのこと)のボリュームで始まっていますね。

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こちらは原型が酒井ゆうじ氏ということで、今現在も第一線で活躍されている原型師のこれまた格好良いラジコンゴジラになりそうです。こういう着ぐるみ型の怪獣ラジコンってもっとリリースされて欲しいなと思います。

私の手元にあるイノウエアーツの『初代ゴジラ』は、以前の所有者がパラダイスかファルシオンかどちらか把握されていなかったようなのではっきりしなかったのですが、おそらくパラダイス版だと思われます。ファルシオン版の方がモールドが深くて良いという話もあるようですので、いつかそちらも目にしてみたいところ。

またネット上で調べてみると全高55cmとか50cmという表記が多いのですけれど(キャスト版同様に55cmというのが正式なのかソフビ版は50cmが正しいのか)、手元の実物を計ってみると全高約45cm程度。キャスト版と違ってソフビ版は収縮するとも聞きますので元々はもっと大きかったのかもしれませんが、それでも十分な存在感です。

まとめ

イノウエアーツ ビリケン商会 初代ゴジラ シン・ゴジラ雛形レプリカ 左からシン・ゴジラ 雛形レプリカ、ビリケン商会のGODZILLA1945、イノウエアーツの初代ゴジラ。どれも好きです。

 

ということでゴジラ生誕65周年となる今日、初代ゴジラの個人的決定版であるイノウエアーツの『初代ゴジラ』をご紹介しました。

改めて今手に入れようとすると中古市場やネットオークションで高めの値付けになっているものが多いのですけれど、ゴジラ造形の歴史の一つを手元に置いておけるのは嬉しいものですし実物を見ることで色々と勉強にもなります。

もちろん今の時代に発売されているものでも量産技術の進歩でかなり良いものは多いですから(細かく言うと少し前の海洋堂のチョコエッグブーム以降の時代が塗装仕上げの完成度が高いものが多くてコスパが良いように感じますけれど)、手に入れやすい価格帯でコレクションしていくだけでも楽しめますよね。

手元にある他のコレクションについても機会を見ながらご紹介していこうと思います。ではまた。

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