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【GRIII】室内で赤ちゃん写真を撮影する場合にブレ写真・失敗写真を減らすための基本。〜光の量をどれだけ取り込むかという視点から〜

少し前のGRIIIで赤ちゃんを撮影する際の設定について記事にしました。GRIIIのコンパクトさは育児の合間に気軽にシャッター押すのに丁度良いものの、暗所性能とAF性能について少し理解しておくことが必要なんですね。慣れないと意図しないブレ写真が多くなりがちだったりして。

また「手ブレ」「被写体ブレ」が失敗写真の主な原因ですので、シャッタースピード・F値・ISO感度について改めてまとめておきます。基本的には「シャッタースピードを稼ぐ」のがブレを減らす方向につながるので、それにつながるカメラ側の設定だとか数値についてある程度理解しておくと便利です。

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室内で赤ちゃんを撮影する場合には「手ブレ」と「被写体ブレ」が失敗の原因になりやすい。

そもそもの大前提として赤ちゃんや室内で飼っているペットが被写体の場合、「室内の照明が暗い」ということが原因で上手く撮れないということが結構あるものです。これは「上手く撮れない」の原因の一つが「ブレ」だからです。

「ブレ」には「手ブレ」と「被写体ブレ」があります。

「手ブレ」はどれだけ被写体が静止していていも、撮影者が手持ちしたカメラ自体が揺れてしまうことで写真がブレてしまうこと。これはシャッタースピードを速くすることも一つの対策ではありますが、カメラ側に手ブレ防止機能がついていればそれだけである程度は軽減できます。GRIIIにも手ブレ防止機能は付いています。

「被写体ブレ」はどれだけカメラ側が静止していても、ブレが起きないだけのシャッタースピードを超えて被写体が素早く動いてしまうことによるブレです。これはシャッタースピードを速くすることが解決につながります。雨や水しぶきは通常流れるようにしか撮れませんが、シャッタースピードをかなり速くすることができれば宙に浮く水玉を写すことができますよね。

写真のブレを防ぐために「光を取り込む量を増やす」ということについて〜シャッタースピードとF値〜

いずれも(どのような表現を狙うかというのは別にして)シャッタースピードを稼げれば解決に近づくものではありますけれど、シャッタースピードを速くすればするほどセンサーに取り込む光は一瞬になりますから画像が「暗く」なってしまいます。

そこでレンズとセンサーの間の穴の大きさを変化させて光の通る量を調整するのが「絞り」。F2.8とかF11という数値で示されますが、数値が小さいほど多くの光が入り、逆に数値が大きいほど光の量が少なくなります。何となく数値の大小と光の量の大小が逆なので最初はわかりにくいかもしれません。取り敢えず「光の量とF値の大小が逆」とだけ覚えておけばOK。

さて、シャッタースピードを稼ぐには光の量を多くする必要がありますので、F値は(光の量の大小と逆で)小さい値にする必要がありますよね。F値の最小値はレンズによって決まっていて、GRIIIの場合はF2.8が最小値です。F値が小さいレンズは取り込む光の量が多い=明るいレンズという言い方をします。これは感覚的にわかりやすいのかなと。基本的には明るいレンズほど性能が良いので価格も高くなります。

ここまで書いてきたように「F値が小さい」と「取り込む光の量が多くなる」ので「シャッタースピードを稼ぎやすい」ことから、「手ブレ・被写体ブレが少なくなる」結果として「失敗写真が減る」ことになります。

言い方を変えると、「手ブレ・被写体ブレを少なくしたい」場合には「シャッタースピードをできるだけ稼ぐ(速くする)」ことがポイントで、そのためには「一瞬で取り込む光の量を多くする」ために「F値をできるだけ小さい値で撮影する」ということですね。

GRIIIはF2.8が最小F値となるが被写界深度が狭いことに注意。

GRIIIなら最小F2.8で撮影することでシャッタースピードを稼ぐことができるということです。室内で写真を撮る場合に十分な光量があれば問題ないのですが、一般的な日本家屋だと光量が不十分な場合も多いですから、赤ちゃんやペットの写真を撮る場合には最小F値で撮影することでブレを少しでも軽減できるということですね。

ただしF値を小さくして光を取り込む量を多くすることは、同時に「前後にピントが合う範囲(被写界深度)が狭くなる」ということでもあります。細かい説明は割愛しますが、F値が小さいと鼻先にピントが合っていても耳はぼやけているということが起こりうるんですね。だからこそ人を撮影する場合には「目にピントを合わせる」ことが大切になります。目さえ合っていればボケている写真とは見えにくいんです。

このピンボケを回避するためにはF値を最小ではなくて少し大きい数値にすることで、前後にピントが合う範囲を広くすることになります。ただ今度は光の量が少し減りますので、シャッタースピードは遅めにして取り込む時間を長くする必要があると。このあたりのバランスをどうしていくのかが写真撮影の醍醐味です。

ISO感度は数値が高い方が暗所に対応できるものの写真はざらついてしまう

ちなみにもう一つ「ISO」という数値も関わってきます。これはフィルム時代の「感度」。数値が高いほど高感度で少しの光でも写りやすい反面、写真を拡大してみると粒子がざらついているように見えます。反対に数値が小さければ低感度で光の量をある程度増やす設定にしないと写りませんが、写真を拡大してもざらつかずきれいに写ります。

フィルムはISO400とかISO200とかカートリッジ毎に感度が決まっていましたから、表現を求めるならばISOの数値が小さい方が良いものの、一般的なコンパクトカメラや写ルンですなどでスナップを撮る場合にはISO400あたりで撮影するのが無難という感じだった記憶があります。

デジタルカメラでもISO感度設定は基本的には同じ考え方で設定します。数値が小さい方がきれいに写りますが、光の量を増やす必要がありますので「シャッタースピードを遅くする」とか「絞り値を小さくする」ことをしないとブレやすくなります。反対にISOの数値を高くすればするほど光量が少なくても撮影できるわけですが、写真はざらついてしまいます。

また「絞り値」の最小値はレンズ性能で決まってしまっているので、カメラ側のオートモードで撮影する場合には実質「絞り値は最小値に固定」で「シャッタースピードは1/50程度」と「ISO感度をできるだけ小さくする(ISO100〜200)」という感じで丁度良い数値の組み合わせが選ばれることが多いですね。

まとめ

ということで照明は付いていても十分な光量が無い一般家屋の室内で赤ちゃんやペットなどを撮影する場合、「手ブレ」や「被写体ブレ」をできるだけ少なくすることがボケた失敗写真を減らすポイントとなります。

各設定の組み合わせによって撮影できる写真のイメージは変わってきますから試しながら体で覚えていくのが良いかと思いますが、「何故かブレた写真ばかり撮れてしまう」という場合には前述の設定についていくつか見直してみましょう。

全てオートで撮影する簡易的なコンデジであればあまり気にしないですけれど、GRIIIは色々と設定がいじれる分、数字ばかり出てきて難しく感じる場合もあるかもしれません。しかしカメラの基本はそれほど複雑ではないので、「光の量をどれだけ取り込むのか」という点に絞って考えてみるとわかりやすいのかなと感じます。ではまた。

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