日常と雑記

台風19号のピークを前にして、2016年(平成28年)の台風10号の豪雨被害を思い返す。

この3連休は台風19号対応でどこも大変な状況ですよね。この記事を書いているのが2019年10月12日の19時で、ちょうど伊豆半島に台風が上陸したという速報が入ったタイミング。既に関東・東海方面では建物被害や人的被害も出ているということで、ここから1晩でどこまで被害が増えてしまうのかが心配されるところです。

気象庁の大雨特別警報については東京・神奈川・埼玉・群馬・山梨・静岡・長野では「既に被害が出ている可能性が高い」というような表現をしていたのですが、この言い方は初めて聞くように思いますね。国や自治体でも把握しきれていない前提で、既に被害が出ているからこそ命を守る行動をしてくださいという話。

私が住んでいるのは北東北なので、既に雨風は強くなっているのですが今夜の夜中から朝にかけてが本番になります。通常の台風だと上陸後には温帯低気圧になって東北まではさほど大きな被害がないのですが、今回の台風19号の予測では雨風の強さがこちらまで維持されそうだということで気が抜けません。

3年前、2016年(平成28年)の8月末に岩手県大船渡市に太平洋側から上陸(1951年からの観測史上初)した台風10号は、県内でも岩泉町をはじめとして大きな被害を出しました。岩泉町というのは町のほとんどが緑豊かな山地なので土地として水を保持する力は高いはずなのですが、あまりに雨量が多かったこともあり小本川の氾濫によって山合いにある町が水に飲まれたような形でした。結果として岩手県だけで24人死亡、1人行方不明という近年の台風被害としては甚大ものに。

現在の岩泉町は既に道路や堤防の復旧工事が済んでいて強度としてもかなり高いものに改善されているとのことですが、今回の台風19号は台風10号よりも超える雨量になる可能性があると現時点では言われているので被害の拡大が懸念されます。特に台風10号の豪雨被害の時と同じように夕方から夜にかけての雨が多くなると、万が一被害が出た場合に確認が遅くなることがあるんですよね。

今回の台風19号の予測を見ている限りだと三陸沿岸の雨量が多くなるようで、これは台風10号の時と同様に東から西に向かって風が吹いてくるということです。台風または温帯低気圧の進路としては南側からとなりますが、台風の腕となる部分の風の吹き込みが反時計回りとなりますから東または北東側からぶつかってくるということですね。

ちなみに岩手県は県庁所在地の盛岡市などを含めて県の中心線を南北に走る北上盆地があって、この西側を奥羽山脈、東側を北上高地が挟んでいる地形になっています。このため盛岡市などは西も東も壁に守られているような立地になっているので、台風10号の時にもほとんど雨も降らないレベルでした。

その一方で壁の外側になる地域は東西から雲がぶつかると雨が落とされるわけです。特に県の東側から台風が来ることは非常に稀ですから、台風10号の際に岩泉町が豪雨被害を受けたのは立地的なことに加えて前例が殆どない状況であったということも言えるのかなと思われます。そもそも豪雨被害が歴史的に珍しいことでなければ町のつくり方がもっと違う形になっていたはずですからね。

今回は台風10号の経験を踏まえてかなり早めに避難がされているはずではありますが、他の自治体も含めて被害が最小限になることを祈るばかりです。

雨のピークと川の増水のピークには場所によってそれぞれ時間差がありますし、土砂崩れなどはどのタイミングで起こるのかがほとんどわからないので、明日以降も車移動の際には継続した注意が必要となることは確かですね。私も仕事で山合いの道を走ることがありますから他人事ではないもので。

それにしても3連休に台風上陸となったことについては、様々なイベントが中止されたりして影響が大きい結果となっていますが、もしかしたら公共の交通機関をはじめとして企業などでも休業する判断に繋げやすかったということもあるのかもしれないなと感じます。これが仮に平日であれば、何だかんだで出社しなければならない方の総数は増えていたのではないのかなと。

私自身この連休に東京で開催される予定だったイベントで出張する予定でした。中止となったことは当初残念でしたが、今時点でのニュースを見る限りだとその判断を主催者が早めに出してくれたことはありがたかったと感じます。中止判断がギリギリだと結果として現地入りだけはしなければならない場合がありますからね。移動後に中止が決まって東京で動けなくなっていたら最も危険な時間帯に地元の家族とも離れてしまいますし。

今この部分を書いているタイミングで茨城・栃木・新潟・福島・宮城にも大雨特別警報が発表されました。東北まで特別警報が出るのは異例です。いずれもう少し後の時間帯になれば北東北にも大雨特別警報が出る可能性がありますので、状況を冷静に見ながら避難を含めた判断をする予定です。風も強くなってきました、

被害が最小限になることを祈りつつ、今日は朝まで警戒態勢を続けようと思います。ではまた。

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