我が家には車が2台あるのですが、片方はホンダの「モビリオスパイク」の前期型です。2002年発売の車種なのでかなり古いのですけれど、個人的にデザインや装備が好きで状態の良い中古を探して数年前に購入して乗り続けています。
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毎日エンジンを最初にかける時に月日を話すカーナビ。
前のオーナーさんもかなり車好きで丁寧に乗り続けていたようで、カーナビも純正で当時は「全部入り」と言われたDVD、CD、MD再生対応の「Gathers(型番:VXD-049MC)」が付いていました。
と言っても20年近く前のカーナビなので地図は専用DVDを入れなければならないとか、TVも見られるはずだったのがアナログ電波時代のものなので既に何も映らないとか色々あります。
それでも今はスマホでもナビアプリがありますし、私が高校生時代に使っていたMDを久しぶりに聞けたりと特に不便は感じていなかったのでカーナビの載せ替えなどはしていませんでした。
そしてこのカーナビ、毎日最初にエンジンをかけた際に「今日は○月○日、○○の日です」と必ず喋るんですよ。そういうのが流行った時代があったんですよね。
急にカーナビが「12月24日」と言い出した。
おととい2019年8月9日のことなんですが、嫁さんが一人で出掛ける時に車のエンジンをかけたら「今日は12月24日、クリスマスイブです」とカーナビが言ったそうで。
「もしかしたらこの暑さで駄目になったのかな?」とか「一時的なエラーかな?」とか思いつつ、翌日また最初にエンジンをかけると「今日は12月25日」と日数がずれたまま。時間だけはどうやら合っているんですよ。
古い車&カーナビなのでまぁ仕方が無いかなとも思いつつ、月日設定を手動でやってみようと思ったらなんと「できません」と。これGPS受信機搭載のカーナビは自動で月日時刻が同期されるために手動設定できないということなんですね。
ついでにカーナビ内の年月を調べてみると「1999年12月24日」と約20年前に戻っていました。月日だけではなくて年までおかしくなっていたわけです。
これ逆に考えると「GPS受信機関係で何かしらエラーが出ているのでは?」と想像できるわけで、色々と調べてみました。
どうやらGPSの「ロールオーバー」が原因っぽいのかなと。
それで最終的に100%確実な答えと言えるかはわからないのですけれど、どうやら原因っぽいのがGPSの「ロールオーバー」というものらしく。
というのも問題を認識した「2019年8月9日」と、その日にエラーで巻き戻った「1999年12月24日」との数週+日数を調べてみるとちょうど「1024週0日」なんです。
この「1024」という数字を聞くと「あれ?」って思いますよね。これ「2の10乗」ですから数学的にシンボリックな数字です。
これを元に調べてみると、「GPSのロールオーバー問題」というものに行き着きます。
GPS運用が開始されたのが1980年1月6日。この日を起点として、週番号を0からカウントしてきたのですが、この週番号が10ビットしかないことで1024までしかカウントできないと。
0週からスタートですから最後は1023週になりまして、次の1024週目に入る瞬間にまた0週に戻ってしまうわけです。このリセット現象のことを「ロールオーバー」というらしく。
1024週=約19.6年ということで、この周期でGPSの時刻がリセットされてしまうということですね。
まずはGPS運用スタートの1980年1月6日から1024週目は1999年8月22日。この日にGPS受信機を搭載している機器の時刻表示が1980年1月6日に戻ってしまったと。
さらに次のロールオーバーは1999年8月22日から1024週目の2019年4月7日。つい最近だったんですね。
ちなみに2019年4月7日から1024週目を計算してみると2038年11月21日になります。
いずれこのGPSの「ロールオーバー」による時刻リセットというものが、私の車のカーナビに起こっている現象とほぼ一致するというわけです。
GPS受信機を搭載する機器ごとのロールオーバー。
「ほぼ」という言い方をしたのは、基本的にGPSのロールオーバーは前述の1980年1月6日を起点とするわけですから、全世界統一でこの日から約19.6年後に問題が起こります。
今回のカーナビについては「2019年8月9日」に問題が発覚したので、仮に数日気付かなかったとしても8月中にロールオーバーが起こっているはずです。
つまり全世界共通のロールオーバーではなく、カーナビ機器特有のものであろうということ。
そこで改めて調べてみると、1999年のロールオーバー問題に対して、カーナビを含めたGPS受信機を搭載している機器を製造している各メーカーはこの問題に対応してきたようです。
その対応については「新商品をできるだけトラブルが無い状態で長く使えるようにしたい」ということで、どうやら「発売に合わせて機器の内部的に0週からカウントスタートさせる」という方法を取っていたりするようなんですね。
つまり全世界同時に起こりうるロールオーバーの代わりに「発売から約19.6年間は内部的にロールオーバーが起きないようにしている」ということ。おそらくですが。
今回の「Gathers(型番:VXD-049MC)」は2003年モデルなので1999年のロールオーバー以降のモデルで、内部的な調整がされている機種であると考えられます。
2003年モデルにもかかわらず「1999年12月24日(またはその数日前)」に戻ったことを考えると、内部ソフトウェアの開発がその頃で、その後のモデルも基本的な部分は変えられず搭載されてきたということなのかもしれません。
カーナビごとのロールオーバーについては20年近くも使い続けている例があまりないということもあってちゃんとした情報がなかなか見つからず、また私自身がITの専門ではないのであくまで推測ということはご了承ください。
ただ1024週0日目でリセットされたことを考えると、GPSのロールオーバーに関係してカーナビの内部的に0週から独自にカウントされていたものがロールオーバーしたということでほぼ間違いないはずです。
解決法とまとめ
ということで、2019年の真夏に突然1999年のクリスマスを祝い出したモビリオスパイク(前期型)のカーナビのお話でした。
ちなみにやっぱり手動設定は不可能っぽいので、この読み上げ機能をOFFにするしかありませんね。
あとどうやらVICSが受信できていないようで、これもロールオーバーによるものの可能性が高いです。
そして少なくともカーナビ旧機種のロールオーバーによるエラーについては解決方法が「新機種に買い替える」ということしかありません。。
旧式の車が好きで乗っていると、改めてカーナビだけ新しくするのもどうかなぁと思ってしまうんですよね。ほとんどのことはスマホアプリで十分ですし(もちろん運転中の操作はNGです)。
その分の予算を次に車を買い替える時のために使う方が良さそうだなぁと。
そういえばモビリオスパイクのリコール(助手席エアバックの再リコール)通知が来ていたので、ディーラーに持っていった時にも念の為確認してもらおうかな。
もし同様のエラーでこの記事に流れ着いた方はご参考になりましたならば幸いです。ではまた。