レビュー

RICOH PENTAX イメージセンサー クリーニングキット

ブロアでは取れないセンサーの汚れに「ペンタ棒」

センサーゴミ問題はカメラの宿命。

デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラを使っている時、イメージセンサー部にホコリが入らないようにどれだけ気をつけていても、気がつくと写真データに「影」が写り込んでいて「あーゴミはいっちゃったな」と落ち込むことってありますよね。

ちなみにRICOHのGRとかってレンズ交換式ではないコンパクトデジタルカメラなんですが、ダストリダクション機能がない関係もあってか持病的にセンサーゴミ問題がユーザーの大きな懸念事項だったりします。レンズが外れないだけに自分ではメンテナンスできないので、数千円〜一万数千円かけて専門店でセンサークリーニングしてもらう必要が出てくるわけです。実際、私が使っているGRも過去に1度センサークリーニングに出したことがあります。

このセンサーゴミ問題はレンズ交換式カメラでも同じなのですが、センサーに直接アクセスできるだけ自己解決ができる可能性もあります。基本的には「ゴミを極力入れない」というのが前提で、レンズ交換するときにはファインダー側を上、レンズ側を下にして入れ替えることで少しでもホコリが入る可能性を減らします。あとはダストリダクション機能がついている機種であれば超音波で振動させることで定期的にゴミを落とすことができます。それでも入ってしまった場合には、ブロアーで吹き飛ばすことをまず試します。さらにそれでもだめなら専門店にクリーニングをお願いするか、自分でクリーニングキットを試すかとなるわけです。

グミみたいな粘着とりもちでゴミを取るペンタ棒。

自分でセンサー掃除をする場合には気をつけなければなりません。センサーはデジカメの心臓部ですから、誤った対処をするとセンサーに傷がついたり症状が悪化してしまう可能性もあります。心配なら専門店のクリーニングサービスに出すのが一番です。

その前提で、例えば安価に買ったカメラだったり古いけれど長く使っているカメラだったり、クリーニング代と本体価格のバランスが取れない場合には自分で試してみることもありということですね。実際、自分でセンサークリーニングしようと思う人は趣味でカメラをやっていて「クリーニングだけにそんなに金かけてられない」みたいな感じではないでしょうか。プロは仕事機材は専門店に出しますからね。

センサークリーニングの方法としては、まず「シルボン紙」と「無水エタノール」で掃除する方法があります。

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ただしこれは非常に技術を要するもので素人にはおすすめしません。できるようになれば最も安価に対処できる方法ではありますが、万が一、センサーに悪影響があればボディごと交換しなければならなくなる可能性もあります。

そこでもう一つの方法として通称「ペンタ棒」が出てきます。

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これはRICOHで出している「イメージセンサークリーニングキット」というものです。箱の裏の注意書きに「ペンタックス製品専用に設計されています。」 とある通り、ペンタックスのデジカメのイメージセンサーをクリーニングするためのツールです。中身は次の2点。

一つは通称「ペンタ棒」と呼ばれる、プラスチックの棒の先に粘着質のグミのようなパーツが付いているもので、このグミをとりもちのようにセンサーにくっつけてゴミを取る様になっています。

もう一つは「シート」。これはグミについたゴミを取るためのシールです。センサーにグミをくっつけて、シールでそのゴミを剥がして、またセンサーにくっつけて、というのを繰り返すセットですね。

 

とりもちのようなグミ部分を拡大するとこんな感じ。半透明のオレンジ色の粘着質。旅行用歯ブラシに付けるようなプラスチックのカバーも付いていますので、直接手で触らないように注意しましょう。

ペンタ棒の使い方と簡単なコツ。

注意点としては、まず前述の通り「ペンタックス製品専用」ということ。他社製のカメラに使っても責任取りませんよということですね。Amazonのレビューを見ると結構他社製カメラに使っているレポートもあるので、自己責任の範疇で使っているということでしょう。ついでに箱の裏に表記されている注意点を抜き出しておきます。

注意/Caution

・ご使用いただく前に、必ず使用説明書の内容をお読みいただき、使用方法や注意事項などを十分にご理解いただいた上で、正しくお使いください。

・本製品の使用により、万一撮像素子のキズ、破損、またはカメラ・光学機器の故障などのトラブルが発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。また、トラブルにより生じた間接的な損失や損害などについても、弊社は一切の責任を負いかねます。

・本製品は、ペンタックス製品専用に設計されています。

基本的に自己責任で使って、万が一トラブルがあってもRICOHとしては責任を負いませんよということですね。まぁこれはしょうがないですね。心配ならクリーニングサービスに出しましょうということで。

この前提で、使い方はごくごく簡単。

まず、デジカメのレンズを外してセンサーが見える状態にします。カメラによってはレンズを外したり電源をオフにした際にセンサー手前のシャッター幕が閉まっている場合があります。この場合、カメラメニューに「クリーニングモード」等の項目があるので、メニューから選んで実行してください。そうするとシャッター幕が開きっぱなしになります。

ちなみにSonyのNEXなどの場合、カメラメニューに「クリーニングモード」はあるのですが、そもそも電源オフにしていてもセンサーが見えっぱなしなのであまり意味がありません。メニューから実行するのに何か意味があるのか調べてみたのですが特になさそうで、普通に電源オフの状態でそのまま掃除できます。

センサーに触れる状態にしたら、ペンタ棒とシールを準備します。シールは1枚だけ綴りから切り離して(ミシン目が入っています)、透明フィルムを剥がしておきましょう。白い方が粘着質のシールですので、くっつく面を作業机の上などに置きます。ペンタ棒はカバーを外して、最初にシールでグミ部分の簡易掃除をしましょう。ペタっとつけて剥がすだけです。

シールは一度くっつけたところは二度目は使わないようにします。ゴミが行ったり来たりしてしまいますからね。レビューで「シールにマス目が欲しい」という声もありましてこれは同意です。真っ白な上に、一度使った部分に汚れが見えるわけでもないのでわかりにくいんですよね。できるだけ左上からZ字に使っていくなど自分でルールを決めるのがおすすめです。

シールでグミ部分を掃除したら、今度はカメラセンサーのゴミを同じようにペタッとつけて剥がす要領で掃除します。これが意外と難しく感じました。何回か試してみてうまくいったポイントとしては、強く押し付けずに軽くペタっと1回だけくっつけて離して、シールで同じように掃除してをやさしく繰り返すことかなと。

たとえばのイメージですが、服についたホコリをガムテープとかで取る場合、リング状にしたガムテープを服にべったりくっつけるというよりは、軽くポンポンとつけたり剥がしたりした方がきれいになったりしますよね。これに近い感じで繰り返さず軽く1回だけくっつけて剥がす方がゴミが取れる感じがします。

意外と粘着質が強くてセンサーが持ち上がってくる感覚があったりしてドキドキしますので、最新の注意を払って丁寧に使いましょう。

まとめ

あくまで自己責任で使ってねと表記されている当商品ですが、メーカー純正でもありますしAmazonレビューなどを見ても基本的には結果良好な声が多いので、センサークリーニングサービスに出すほどではないなという価格帯のボディを使っている方は試してみてもよいかもしれません。

ちなみにシールの綴りを数えてみたら25枚ついていました。私は最初慣れてなくて2枚使いましたが、1回あたり1枚で済めば25回分と考えると経済的です。このシール使い果たしたらセットごと買い替えですね。ペンタ棒自体の粘着力とか汚れもどうしても使用感出てくると思うので。

あとクリーニング結果としては結構良好だったものの、画像データで細かくチェックするとまだ取り切れていないものもありそう。これ目視では見えず、普通の写真でも見えないレベルにはなってます。ただ私の場合はピンホールレンズを使うことがありまして、これが本当に小さいゴミまで明瞭に写るんです。センサーチェック用にはちょうど良いのですが、作品撮ろうと思うと結構な課題だったりします。

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少なくとも目視できるレベルのゴミは慣れれば簡単に取れるようになりましたので、ブロアで取れないゴミで頭抱えている方はお試しあれ。

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