起業・フリーランス

個人事業主とマイクロビジネスと次のフェーズと。

11月〜12月は仕事の仲間と一緒に雇用だとか働き方について飲みながら話したりすることが結構あって、今は個人事業主である自分の事業所についても今後のあり方を考えさせられました。

前の記事にも書きましたが独立5年目で事業年度としては1月から6年目。開業からの満年数だと5月からが6年目になりますが、いずれここ半年で次の5年について考えなければなというのが今の思いです。

独立5年目の終わりを前にして次の5年を考える。今年も明日で仕事納め。個人事業主の事業年度は1〜12月なので、独立してから5年目が終わることになります。細かく言うと2014年5月に起業...

生業としてどこまでを目指すのかということ。

それで今後の展開について考える際に「事業規模」的なもののイメージを具体的にする必要あるなと感じていて。というのも業種や職種にもよりますが、通常の生業の中で個人事業主が稼げる規模ってある程度決まってくるのではないかと考えています。特に自分自身が動いて、作業して、それに対するフィーが払われるようなものの場合です。例えば制作デザインだとか、イベント運営だとか、企画関連でも同じようなものだと思います。

これらはスタッフ1名が生産できる価値が無制限に大きくなっていくということは基本的にはなくて、時間あたりの生産量に上限が出てきます。もちろん、作業スピードを上げることで生産量を増やしていくとか、または単価を上げる事によって売上金額を上げていくということはあります。ただそれでも限界はありますよね。

一応、会社体であれば人数が多くなればなるほど1人あたりの生産効率が上がっていく傾向にあります。チラシ1枚のデザインだけ受注するよりは、その川上のイベント全体を受注してしまう方が予算額は数桁大きくなりますから、桁の大きい仕事を受ける事ができるだけの企業体力が大きければ大きいほど、利益率・利益額も自然と大きくなっていきます。

個人事業主レベルの現実的な限界値

とはいえ一般的な個人事業主においては経験的な「限界値」は「年商1,500万円/人・年」が一つの目安になります。利益ではなく「年商」ですよ。1ヶ月100万円以上の仕事を個人で請けられるというのは凄いことなんです。ただしこれは結構な労力で、休みもあまりなく仕事中心の生活で働き詰めになるかもしれません。

さらに現実的な話をすると年商1,000万円を超えると消費税課税事業者になることもあって、年商500〜800万円位を目安にしている事業者も少なくなかったりします。いろいろな経費や控除を引いて、課税所得としてはざっと半分くらいとか。1,000万円以上の売上があっても課税所得が200万円ということもありますから、これは商売によって大きく異なります。

個人事業主の年商、所得の感覚値

個人事業主の感覚ってなかなかわかりにくいんですよね。経費の使い方についても差がありますし。でも語弊を恐れずざっくり言うと「課税所得ー年間生活費(事業主貸)=年間の通帳残高増加分(年間貯蓄可能額)」という見方がわかりやすいかもしれません。

所得控除は人によって異なるので「課税所得」ではなく「所得」にしても良いですが、いろいろ差っ引くと上の式が実感値に近いのではないかなと。12月末の通帳残高が1月からどれくらい増えているかというのが結構大切です。法人とは違って資本金というものはないので、事業通帳の残高がそのまま次年度の運転資金となるわけですから。

何となく年間100万くらいは事業主貸で入れているかなぁという方であれば、課税所得が少なくて200万円くらいになったとしても通帳残高が100万円増えている感覚。課税所得が500万円で、年間300万円を事業主貸で入れていれば年間で200万円が残ります。要は年商が1,000万円だろうが300万円だろうが、結局は所得、課税所得、事業主貸の額で手残りは大きく変わります。内製化できて原価がかかりにくい職種であればパフォーマンスがよくなりますよね。

一部のガンガン稼いでいらっしゃる方々を除くと、一般的な会社勤めの給与を超えることってそうそう簡単なことでもなかったりします。それほど甘いものではありませんからね。これから個人事業主やフリーランスとしての働き方をしてみようという方はまず現実路線で着実に積み上げていく方が長続きすると思います。または最初から一人でも稼げるだけの実績と技術を持ったまま独立するかです。それだと仕事が切れませんからスムーズに個人事業主への移行が可能になります。

マイクロビジネスの並列化か脱却か。

個人事業主って結局マイクロビジネスの範疇を出なかったりするんですよね。マイクロビジネス自体の定義も様々で、例えば従業員でいうと5人以下(農林漁業除く)という人数で定義したり、売上で1,000万円以下という売上高で定義したり。

従業員数については、フリーランスならばもちろん1人。青色事業専従者として家族従業員を雇っていない場合には自営業でも1人であることも珍しくありません。

売上高については前述の通り「1,000万円」というのは今の日本(特に地方)では結構大きい金額に見えるかもしれませんね。売上高(年商)500万円以下、所得で250万円くらいまでが副業的な文脈で語られる場合も含めて「マイクロビジネス」と言われているような気もします。

いずれ少し広く考えたとすれば個人事業主ってある程度の売上があってもマイクロビジネスの範疇で、これをさらに育てるには「他のビジネスの並列化」か「マイクロビジネスからの脱却」を目指すことが考えられます。これを今整理しているところです。どちらにしてもこの5年間と次の5年間はフェーズを変えたいので、1月以降で色々と試しながら1〜3月で目処を立てて、4月末までには準備完了までいく想定で進める予定です。

課題としては従業員を雇える体制にするかどうかということと、その際の働き方の規定について。無理させて売上を伸ばすということではないやり方で価値を作り出していくこと。経営者として責任持って事業デザインしなければならないと考えています。まぁこれが難しいんですけれど。自分も無茶苦茶働くのに慣れてしまっているタイプなので、時代に合わせたものにしなければなりません。

様々なバランスについて頭を悩ませているところです。

まとめ

こうやってブログに書くことは自分の頭を整理することにもなりますし、書いてしまうことでモチベーションを上げたり自分自身に期限を設けたりすることにもなります。今後の検討の中でわかるものや変わるものもあると思いますけれど。

Twitter界隈の大御所的な方々とは違って地方の田舎で孤軍奮闘しているタイプの個人事業主ではありますけれど、同じように個人事業主やフリーランスで頑張っている方もいらっしゃると思いますので何かしらの参考となれば幸いです。ではでは。

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