起業・フリーランス

個人事業主・フリーランスや経営者には撤退ラインの審美眼も必要。

独立起業してから感じるのは物事を始めるのと同じくらい、辞める判断をするのも大切ということ。

ここで整理するのは個人事業主・フリーランスとして「クライアントから仕事を受ける場合」の話です。自分の事業として自主企画を考えて実行する場合は必ずしも利益的なものだけで判断しないこともあります。

仕事の話で日々飛び交うは有象無象の飯のタネ

個人事業主・フリーランスで仕事をしていると(と言いながらフリーランスに限らないかもしれないけれど)「企画レベルの話」として結構な数の相談が舞い込んできます。

一般的には会社内で企画が上がって、稟議が通り、GOが出てからのスタートなのでしょうが、模索段階の話も相当数が飛び交っているわけですね。そして「取り敢えず人を押さえよ」ということになりフリーランスを含めてあちこちに声がかかっていくのです。

戦略としてスタッフィングは重要ですから、ライバル企業に協力機関のスケジュールを押さえられる前に先鞭をつけておくというのは正しい判断です。

ただし、声はかかっていても結局立ち消えになってしまうものも一定数あります。クライアント側に企画が通っていなかったり、担当者変更とともに方針もリセットされたり、実は予算がついていなかったり、諸事情で自然消滅していったり。

激務の中で回り続けている担当者ほど、とにかく色々なことを始めまくって、残ったものを刈り取っていけば良しという判断基準で仕事をしていたりするんですよね。まぁこれはこれで発注側の営業戦略的には一つの方法としてあり得ます。

フリーランスでも経営者。仕事の筋を見極めて受注するかどうかの判断をすることが大切

その一方で、個人事業主・フリーランスとして下請け的な立ち位置に入る際には注意が必要です(※ここでは大元のクライアントからの直接受注ではなく「間に1社または数社が入ってプロジェクトが動いている場合」とします)。

個人事業主やフリーランスは月給制の会社員とは違いますから、どれだけ時間を費やしても仕事が立ち消えるとキャッシュは一銭も入りません。

感覚としてはどちらかというと時給制に近くて、同じ時間尺度にどれだけ生産性を上げていけるかという話になります。短時間で質を担保しながらどれだけ結果を積み上げていけるかが実入りに直接つながるわけですね。

個人事業主やフリーランスの議論で独立・起業の話をする際に、最初から「稼ぎ」の話だけを優先させるのはあまりおすすめしません。「自分の人生をかけてやりたいこと」が何かを優先することをおすすめします。

とは言え起業後に食べていくことができなければ事業が続かないのも確かではあります。この記事では独立・起業の所為のタイミングというよりは、ある程度は軌道に乗ったタイミングにおける経営的・戦略的な話として捉えてください。

さて、例えば「1週間いつでも対応できるようにスケジュールを確保してほしい」と言われた場合を考えてみます。その案件を優先させるため、他のクライアントからの仕事相談が入っても断るか先延ばしにすることになります。結果「やっぱりナシになりました」と言われると、その1週間がゼロになっただけではなく、入るはずだった他の仕事も断っているわけですから機会損失まで重なっているわけです。

これ酷い話だと感じるかもしれませんが、間に入る営業によっては結構あるものなんですよ。全てを事前契約や前払いで済ませればよいとの話も聞きますが、中々そうはいかない現場事情もあったりするんですよね。つまり面倒なことを通り越して対応できるフットワークの軽さがフリーの良さだったりもするからで、だからこそ仕事にも審美眼が必要だとも言えるわけです。

要望や扱いがあまりにも酷い・厳しいという場合には大人同士のビジネス関係のケジメとしてちゃんと申し立てることも時に必要ですが、実際は中々言い辛い面もありますよね。

だからこそ自分の身を守るためにも予測と戦略をベースとした売上構成とスケジュールを組み立てていく力を付けることが大切になります。

最初から無理がある案件は仮に受けても誰からも感謝もされず利益も上がらず徒労に終わることも少なくありません。無理な受注でストレスを溜めて他の仕事のパフォーマンスに影響が出てしまうと更に厳しいですよね。

自分自身が経営者として判断して、断るときには毅然として断ること。それが個人事業主やフリーランスとして長く働いていくコツです。タフにいきましょう。

スタートしたはずの仕事が途中で無くなってしまう場合には大抵共通するネックと原因がある

ちなみに、せっかく出た話が立ち消えていくのってなぜだろうって思いませんか?

営業や企画ディレクションを何年も続けていると見えてくるのは、多くの場合がクライアントとの間に入る誰か(主には営業担当者)にネックがあるということです(自分のことを棚に上げることはできませんから自省も込めて書きます)。

大抵の場合はクライアントには否がなくて、クライアントから受託した企業(担当営業)の中で何かが起きていることがほとんどです。

例えば以下のようなポイント。

・最初の見込みが甘い見切り発車だった。

・社内報告用に「やってます」リストを増やしたいだけで熱がなかった。

・熱がないので塩漬けにしていた。何ヶ月も。

・クライアントとトラブった。出禁。

・計算ができない。

・外注費を考えていなかった。

・転勤、転職、退職することになった。

そんなレベルの話なのかと思う方もいるかもしれませんが、既に社会人として働いている方々にとっては聞いたことや心当たりがあることも結構あるのではないでしょうか。

本来はどんな仕事もクライアントファースト・ユーザーファーストであるべきなのですが、仕事の現場レベルで見ていくと残念ながらそうなっていない場合もあるということですね。

だからこそ自分自身がフリーランスという立場で何かしらのプロジェクトに関わるときには、上記のような懸念がないかどうかを含めて全体の整理や組み立てを最初からしっかりとしていかないとなりません。たとえチームスタッフから「細かい」と疎まれてもです。

ここでもそもそも「仕事を受けるべきかどうか」ということから考える必要もあります。蓋を開けてみれば最初から破綻していて、時間ばかり取られて適切なフィーが払われないこともありますからね。

まとめ

フリーランスとして働いているとありがちなのですけれど、経営的に厳しいときだったり受注が少ない時にはどうしても「何でもどんな条件でも受ける」となりがちです。

しかし、機会損失を減らすためには「仕事を選ぶ」という判断も時に必要です。

特に「自分以外のスタッフに仕事熱がない」案件は立ち消える可能性も高い。もし塩漬けになっている案件が既にあれば撤退する判断をして仕事を絞ることで、他の案件のクオリティを上げることにもつながるかもしれません。

結果として全体パフォーマンスを上げることができれば、関わっているクライアントの利益にもつながりますよね。

この記事を書いている少し前にTwitterで「仕事をドタキャンされた」系のツイートがバズってたのですが、「あぁ同じような不安やストレスを感じるフリーランスの方も多いのだろうな」と感じました。

でもストレスだけ抱えて働き続けても不健全ですしょうがないので、少し気楽に「時には戦略的撤退も必要」と割り切っていきましょう。その分、健全な案件を数こなした方が自分の成長にもつながりますし、適切な評価を得られることにもなるはずですから。

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