働き方

【子育てと働き方】夫婦共働きで揃って自宅仕事し始めると育児とのバランスが意外と難しいという話。

自宅で仕事ができる環境があるからと言って、そこで子育てと仕事を完全に両立してストレス無く生活できるかと言ったらそう簡単な話でもないんですよね。最近夫婦で仕事が忙しい時間が増えてきてそのことを実感したのでまとめておきます。

たとえ在宅勤務でも「仕事」と「育児」は物理的に分かれているということ。

生後9ヶ月の娘が1人いる我が家ですが、夫婦共働きで子どもができる前は2人揃って朝8時に家を出て2人揃って夜22時に帰ってくるような生活でした。夕飯は一緒に食べることにしていたので、22時過ぎからご飯を作ったり買ってきたものを食べたりという感じ。

それが嫁さんが産休〜育休という生活になったのに合わせて、私も基本的には自宅で仕事したり、そもそも受注量を減らすことで個人事業主ながら自主的な育休生活という形にしてきたわけです。

子どもが産まれて生後9ヶ月となった現在、嫁さんは自宅でテレワークという形で一部復帰、私も年内忙しい時期に入ったので外勤・出張が入ったり自宅でも作業している時間が増えてきている状況です。

そしてこうなると育児と働き方について考えさせられることが結構あるなと感じています。

テレワークだとか個人事業主・フリーランスだとか場所を選ばないで働けるということを聞くと「それなら子育てしながら働くのもできて楽だよね」というイメージを受けるかもしれません。しかし実際はそう簡単ではないんですよ。

今の月齢ではという前提ですけれど、「子どもを見ている時間」はあくまで「子どもを見ている『だけ』の時間」なんです。子どもから目を離すといつ怪我をするかもわかりませんから、しっかりと側にいて両手をいつでも出せる状態にしている必要があります。

その一方で、自宅で「仕事の作業をしている時間」というのは、「パソコンで作業している」とか「チームスタッフやクライアントと電話をしている」という状態です。具体的な作業をしていなくても「アイディアを整理する・考える」という時間もあるでしょう。

するとこの「仕事をしている」という状態と「子どもを見ている時間」という状態は同時にしにくいのです。子どもを抱っこしながらパソコンを打とうとすれば、子どもも自分で触ってみたくなりますし、仕事の電話をしている時には子どもをあやすことが基本的にはできないのでジェスチャーでリアクションを取るしかないですよね。

子ども自身はまだ言葉が通じる段階ではありませんから、「何で自分を無視して何か(誰かと)喋っているのだろう?」と感じて不安になるかもしれません。結局の所、仕事をしながら同時に育児をするというのは物理的に難しんですよ。

夫婦で揃って自宅作業ができる環境である場合には「順番に子どもを見て、順番に仕事作業をする」ということで対応することは可能です。しかしこれも結局は同時に子育てと仕事をしているわけではなくて、2人でスイッチしながら片方ずつこなしているだけです。

「子連れ出勤」はやはりというかまだというか現実味がない。

このことを実感してしまうと、例えば「職場に子どもを連れて行くことって現実的ではない」ということがわかります。もちろん職によってはそれが可能な場合もあると思いますよ。その上で「子連れ出勤を広めよう」とはどうしても考えられないんですよね。

幼稚園・保育園というシステムの存在意義はやはり大きいですから、そちらの手が足りないからといって子連れ出勤で緩和するという考えは短絡的です。それなら学校教育だって同じ話になってしまうのではと感じたりもします。そもそも教育や保育を家庭からアウトソーシングすることで、その時間を使って男女問わず家庭から職場への社会進出が実現している面があるわけで。

まずは待機児童が減るための策を最優先として、それと並行して「万が一の時に限っての職場周辺での保育サポート」ができる環境を整えるというのが良いのではないでしょうか。月に数回というレベルでどうしても預け先がないタイミングで、職場やその周辺で子連れ出勤を受け入れてサポートできるような環境を目指しましょうというのであれば現実味があるのかなと思うのです。

「100%子連れ出勤しよう」でもなければ「子連れ出勤は理由に関わらず絶対NG」でもなく、基本的には働くことと育児は分けて考えつつ、セーフティーネット的な駆け込み先がいつでも選べる程度にあるようにしておくのが理想的かもしれません。実家や身内などの協力を得られる状況であればそれがわかりやすいですけれど。

そして改めて「在宅勤務であれば育児と仕事の両立ができる」ということは妄想に近く現実的とは言い難いということも念押ししておきたいところです。子どもとの距離は近くなりますから良い面もあるとは思いますが、子どもにとっては「そこにいるのに相手をしてくれない」というタイミングが目に見えて増えますから、それが結果として良い影響となるのか悪い影響となるのかはわかりませんよね。

もしも在宅で子育てとのバランスを最大化するとすれば、夫婦揃って在宅で順番に子どもを見ながらもう一方が作業するというスイッチを繰り返すか、子どもが寝ている時に限って親が働くということです。

この場合、クライアント先との調整があまり必要でなかったり時間を問わないような職であればなんとかなるかもしれません。基本的に9時〜17時などで動いている相手に合わせて仕事をする必要があるような職の場合、子どものリズムに合わせて働くのは中々難しいですから。

いずれ「育児」と「仕事」を同じ空間に置いておけば何とかなると考えている層がいるとすれば、実際に自分ではちゃんと子育てしたことがないのではないかと勘ぐってしまいます。このあたりは現実的な視点を持った人が制度を見直していってほしいなと感じます。

まとめ

ということで、少しずつ忙しい時期に入って「あれ、自宅に夫婦揃っているからと言って育児しながら仕事作業するのって簡単ではないな」と感じたことについてでした。

それにしても働きながら子育てしている親御さん方は凄いなぁと思います。仕事上で付き合いのある方でも「家では親でもある」ということを知って意識するとどこか印象変わりますよね。これは育児経験の有無がどうこうということではなくて、単純に「よく両立してやってるな」という驚嘆に近い意味合いで。ではまた。

 

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