数ヶ月前からちょっと気になっていたことがありまして。
「あくび」についてなのですけれど、生後数ヶ月のあたりから親があくびすると我が子もあくびをするように見える瞬間が結構あったんです。
ただ色々と調べてみると「あくびがうつるのは5歳児から」というような論調が主流なんですよね。
とすると1歳前後で既にあくびがうつるようになっている「ように見える」だけで、実際は違うのかもしれません。ただ親から見た子どもの成長記録として残しておこうと思います。
そもその、あくびはいつからうつると言われているのか。
あくびの伝染についての研究は意外と多いもので、なぜあくびが起こるのかということと合わせて伝染条件についても解明が進められている段階のようです。
日々当たり前のようにしていることがまだ未解明というのも不思議なものですよね。
2020年現在でもあくびの原因や定説になっているものが無いと言っても過言ではないようですけれど、簡単にまとまっているものとしては例えば以下の記事などが参考になります。
10年も前の記事ですが現在の情報とそれほど変わっていないように感じられましたのでリンクを貼りました。
簡単にまとめると以下の通り。
- かつては「血中の酸素が不足している時に、あくびによって空気を吸い込み酸素を補給する」という説が有力だった。
- しかし「あくびで体内に取り入れられる空気量は普段とそれほど変わらない」「血中酸素濃度も実際には上昇しない」ということがわかった。
- 他には「あくびが脳を冷やす」という説が唱えられた。氷で頭を冷やすとあくびが出にくくなるため、あくびで血流を良くして脳のオーバーヒートを防ぐのではということ。
- しかしこの説も「風邪などで熱がある場合にあくびが頻繁に出でもよさそうだが、そういうわけでもない」ということで定説にはなっていない。
- あくびの伝染についてもよくわかっていない。
- 統合失調症や自閉症の人はあくびの伝染が起こりにくいようだ。
- 人間以外の動物(哺乳類、爬虫類、鳥類など)にもあくびが見られる。
- 何らかのコミュニケーションの役割を担っている可能性がある。が、実際はまだよくわかっていない。
こんな感じ。
ちなみに比較的近い情報として2019年4月26日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」では上記ポイント3と4に記載した「あくびは脳の温度を下げるため」という説が紹介されています。
この番組内では「脳の温度があくびによって実際に0.2℃下がった」という実験結果になっていましたが、諸説あるうちのひとつということなのかなと思います。
またポイント6の「統合失調症や自閉症の人はあくびの伝染が起こりにくいようだ」という点についても興味深いもので、他人の行動や感情を理解したり共感したりする脳の部位と関係しているのではと言われているとのこと。
ただしこれについては、例えば東京大学名誉教授の長谷川寿一氏の以下の研究でアイコンタクトなどとの関係性について指摘されていますね。
※リンク先はJ-STAGEに掲載されている科学研究費助成事業(科学研究補助金)研究成果報告のPDFです。Google検索結果にも直リンクで出てきますので参考まで。
長谷川教授は2018年に定年退任されていまして、この研究については2001〜2009年の期間のものとのこと。
ここでは「自閉症児にはあくびがうつらない」という先行研究に対して、「アイコンタクトの確立」によって自閉症児と定型発達児の間にあくびの発声回数に差がないことを示しています。
指差しなどで相手の目を注視させるようにすることで、あくびがうつりにくいと言われている自閉症児でもあくびが伝染する可能性が示唆されたという形。
つまり、あくびの伝染については「アイコンタクト=目を注視できるかどうか」ということが大きく関わっている可能性があるということです。
定型発達児は「顔からの注意の開放が遅い」、つまり一旦顔に注目するとそこから視線が外れにくいという傾向があります。その一方で、自閉症児は「顔とモノからの注意の開放に差がない」ということも述べられています。
これらのことを前提とすると、あくびの原因については諸説あり定説がまだ固まっていないことと、あくびの伝染については「アイコンタクト」が一つのポイントになっている可能性があるということですね。
我が子は1歳になる前から既にあくびがうつるように見えているのはなぜか。
さて、我が子の場合なのですが、生後半年を過ぎたあたりから「これ、あくびうつってないか?」と感じられることがたまにありました。
「赤ちゃんにはあくびはうつらない」ということを既に調べておりましたので気のせいかなとも思いつつ、夫婦それぞれ「うつってるよな」と感じられる機会がありましたので話題にしていた記憶があります。
また、指差しをし始めたのは生後7ヶ月目の最終日のあたりでした。
我が子自身が欲しい物や行きたい場所に向かって指差しをするようになったわけですけれど、それは「指差し」自体の意味を理解したということですし親が何かを指差した場合にもその先を見ようとするようになったということですよね。
実際は親の指差しについては「指の先」を見てしまうことも当初はありましたが、いずれにせよ何かに注目するためのジェスチャーについてはその頃から理解し始めたわけで。
またできるだけ普段のコミュニケーションを取るように心掛けていたので、目を合わせて話しかけることがほとんどだったように思います。
もしも「アイコンタクト」があくびの伝染に関わっているのだとしたら、このあたりの普段の親子のコミュニケーションだとか関係性が要因で早めにうつるようになった可能性はあるのかもしれません。
1歳1ヶ月の現在でかなりの頻度であくびがうつっている気がしますので、5歳を待たずとも乳幼児にあくびがうつるということはあり得るのではないかなと感じるところです。
これが早かろうが遅かろうが何かが変わるわけではないのですけれど、「あくびの伝染は5歳から」と聞いていたのに1歳前後からうつっていると「何か危険な症状なのでは」と心配になるわけで。
しかしあくびについての研究資料をいくつか読んでみて、いくらか早い月齢・年齢であくびが伝染したとしても何かしらの説明が付きそうであれば安心できそうですよね。
まとめ
ということで1歳前後で既にあくびがうつっているように見える我が子の記録でした。
我が子の場合は取り敢えず「比較的早期にあくびが伝染する要因に関わる発達が進んだ」と理解しておこうかなと思います。
特にアイコンタクトについては、夫婦&我が子そろって目が大きい方なので注視しやすいのではないかなと。結果的にあくびもうつりやすいと捉えておけば余計な心配はしなくて良さそうです。ではまた。