働き方

販路拡大における地域性と「そもそも知っているのか」ということ。

今回はちょっと思い浮かんだことをメモ的に。

地域性よりも「知っているかどうか」の方が大切だよなと大阪で感じます。東と西の味付けだとか、細かい好みの違いは確かにあるのでカスタマイズしていくことで結果を高めていくことはできますが、それ以前の課題性があるなと。そもそも地域が変われば「知らない」が先にくるんですよね、そして知らなければ「買わない」。というか意識にものぼらないわけですから選択肢にも入ってこない。当たり前のことなんですけれどね。

岩手で暮らしていても、東北6県や北海道ならまだしも例えば福井県のことを知っているかと言われれば「そもそも知らない」わけです。例に出した福井県は今年の春に車で東北6県&北陸4県のドライブ旅行をして初めて訪れたんですが、それまでは特に意識もしていなかったんですよね。岩手と大阪の距離感も同じようなもので、まぁ大阪は全国的に有名なものが多いですけれどその逆はなかなか難しいのだなと。岩手はまだまだマイナーです。

でも、というか「だからこそ」、まずは知ってもらう機会をどれだけ根気強く積み重ねていくのかが重要になります。企業レベルでは全国展開しているところもありますが企業体力が大きくはない中小企業も少なくないわけですから、県単位でのまとまった取り組みも必要になります。

流通について考えると食品関係や低単価商品は輸送・配送の費用や日数の課題も出てくるので単純な販路拡大は難しい面もありますけれど、販路拡大を望む事業者に対してはフォローできる機会は活かしたいものです。特に事業者や生産者自身が地元から離れた現場で反応を見ながら・声を聞きながら考える機会というのは貴重なものだと感じます。

課題も当然ついてきます。売り場によって客層も異なりますし、トラブル対応については岩手と大阪ではその質も違います。例えば伝統工芸品などでは商品盗難の数も多い。これは非常に残念なことですが、組織的に狙ってくるのが普通とのことで事前の注意や対策が必要になります。業者間でも実際に取り扱いが始まった後に回収ができなくなる場合もあります。間にしっかりとした専門家やプロが入らないと、地域の中小企業レベルでノウハウがない事業者は泣き寝入りになってしまう可能性もあったりします。

できることなら性善論で全て済めば良いのですが、どうしても悪意に触れてしまうこともあって、それがたとえごく一部だったとしても事業者にとってはショックなものです。その経験がトラウマになって販路拡大を諦める場合もあるでしょう。このあたりは対策などをしっかりとフォローできる体制を地域で整えた上で、販拡機会の良い面を残していける努力をしなければなりません。

岩手はお人好しの県民性なんて言われますから、このあたりは毅然とした姿勢でいくときにはいかなければならないということも学ばなければならないなぁと。もちろん基本的には大部分がよいお客様なのはどこでも変わらないものですから、商品を通して喜んでいただけるのは嬉しいものです。可能な限り性善説で怖がりすぎず、とはいえ一部の悪意に対しては油断はせず、商売というものを広げていくことが大切ですね。

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