仕事

個人事業主・フリーランスとしての仕事の規模の広げ方と資金力のシンプルな関係。

シンプルに資金力が受けられる仕事の大きさになる。

個人事業主っていわゆる「資本金」というのがないんですよ。それに相当する「元入金」というのが勘定科目上にはあって、めちゃくちゃざっくり言うと1年間の差し引きして残ったお金が次年度1月1日の「元入金」になるわけです。個人事業主の年度は1〜12月ですからね。だから毎年元入金の額は変わってきます。まぁ毎年1月1日の通帳口座の金額みたいなものです。

それで、起業して少しずつ事業を拡大していきたいとか、売上を伸ばしていきたい時にはこの元入金の額がとても大切になってきます。というのも無借金経営を目指す場合、「自分が持っている以上の金額の仕事は基本的に受けられない」と考えて良いからです。経営というもの考えると借金は必ずしも悪ではありませんが、個人レベルでのリスクを考えるとできるだけ無借金で利益を上げながら事業を拡大していくのが安全です。

この前提に立った時、例えば100万円の元入金があって、80万の仕事を受けて、外注費で50万出ていくとしましょう。外注費を先に払うことになると一時的に100万ー50万で50万円しか資金力が残らないことになりますよね。無事納品して請求・振込となればプラス80万円になりますから口座残高は50万+80万=130万となります。30万円の黒字。

これが請求タイミングと支払いタイミングがうまく合えば良いのですが、80万円の振込が入る前に別の仕事でまた同じ80万円の仕事が入って、また50万円の外注費が先にかかるとすると、50万円ー50万円=0円となって一時的に口座にあったはずの資金がなくなってしまいます。これが運転資金・キャッシュフローの問題です。

実際はいくつもの仕事とお金の出し入れが重なりながら、口座の金額が変動していくわけですが、どのタイミングでもマイナスにならないように調整しながら資金を積み上げていく必要があります。そしてその一時的にでも回せるお金の最大値が、仕事として受けられる金額の合計になります。借金さえしなければ。

注意が必要な「経費」と「節税」の考え方。

運転資金を融資してもらったりする場合もあるかもしれませんが、大きな設備投資をするのでなければ可能な限り避けた方が良いのではないかなというのが個人事業主レベルでの私自身の感覚です。どうしても仕事に必要なパソコンとかカメラとか車とかの機材が必要であれば、それをローンで買うというのはまだぎりぎりありですが。それも出来る限り現金またはクレジットカードで一括払いなどにする方が良いと感じます。

そして個人事業主になると仕事関係のものは経費である程度落とせますから、節税の面で設備投資するタイミングも必要かもしれませんが、忘れてはならないのは「何かを買ったことでそれが経費ということで全てチャラになるわけではない」ということです。会社員にとっての「経費」とは訳が違います。例えば会社勤めの場合の経費は、仕事関連の購入や接待交際費でかかった領収書を経理に報告・提出するとそのレシートの金額が丸々戻ってくる感覚ですよね。これは会社の業務の範疇ということで社員には負担がないようにするためです。

ところが、個人事業主にとっての財布は自分自身ですから、当然ながら経費も接待交際費も出て言ったものはそのまま元入金から減り続けます。ただし、事業経費として認められるものであれば、課税所得金額から差し引かれるので、結果的に支払う税金の一部が少なくなるというだけです。所得税なら10.21%とかね。その他にも事業税やら何やらこの計算式に関わってくるものがいくつかあるとしても、多く見積もっても30%程度の税金等が減るだけです。

反対にいうと事業の経費として落としたものは3割引で買えるというようなもの(人にもよりますのでここでは細かくは計算しません。あくまでざっくりとしたイメージとしてとらえてください)。経費で100万使えば30万円引き(=納税額が下がる可能性がある)。でも70万円は出ていっているのです。結果「使わない方が元入金は積み上げられていく」ことになります。必要以上に経費を使うことはあまりおすすめしません。先行投資目的なら良いです。

まとめ:資金力が次の挑戦への強い力と余裕になる。

このあたりの事情も考えつつ、毎年元入金を積み上げていくべきです。そして何となく2~3年は慎ましやかな生活をすれば何とか生きていけるくらいの資金が溜まってきたなというラインを目指しましょう。仮に5年目でここまでいけば、事業内容の整理や法人化や、または1年ほどゆっくり過ごしながら次のステージを構想する時間的・心理的余裕を持つこともできます。

3年5年と同じ事業内容で展開していると、どこかで一旦整理して行先をもう一度見定める必要が出てくるものです。私にとっては5年目の今が正にその時だったりします。現業に追われすぎていると次の新しいチャレンジが中々できくなってくることもありますから、「しばらく何もしなくても大丈夫」な状況をできるだけ早く保険として作っておくことが大切です。

経費は必要以上に使いすぎず、事業資金として必要になるときのためにしっかりと残していき、受けられる仕事の規模も時に拡大しながら、できる限り無借金経営を目指すこと。これが個人事業主としての経営のコツです。

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