起業・フリーランス

協力機関と外注先と。〜ビジネスパートナーの考え方〜

まわりを見る姿勢が働き方に現れる

呼び方一つで変わるもの。

Twitterより引用。

 

職種にもよるかと思いますが自社内ですべての仕事が完結するような企業はほとんどないと思います。加工でも、材料でも、広告PRでも、何かしら他の企業との受発注の関係にあるものです。

そこで発注側と、いわゆる下請け側の関係が出てきます。その外部委託先についてどのような姿勢で捉えているのかが企業や担当によって変わってくるという話。

突き詰めれば言葉選びの問題に尽きるかもしれませんが、それがビジネスパートナーとしての姿勢に紐付いてくるわけなので意外と大事な要素です。

「外注先」「下請け」という言葉と姿勢。

まずは外部委託先について「外注先」「下請け」と捉える場合。言葉としてもこれらを普通に使う方もいます。関係としては上下のイメージです。

法人格が無い個人事業主・フリーランスとして働いていると結構この言い方をされることもあるかもしれません。「仕事をやってやる」とか「高いから他に頼むよ」みたいな言い方だったりもします。理不尽な減額要求をしてくる企業もたまにいますがこの類です。

それでストレス感じつつも、企業規模や実際の仕事の流れからすれば「そう言われてもしょうがないよな」と考えてしまいがちです。仕事を回されなくなると危険だとか、業界で変な噂をされないかとか、フリーランスとして働く上でどうしても付きまとう気持ち的な問題というのは必ず出てきますよね。

一方で、様々なつながりの中で十分に仕事が回っている場合や、自らの仕事を適性評価していただけるビジネスパートナーが他にもいる場合には、このような企業からの仕事は選んだ方が良い場合も少なくありません。相手としても他に頼む先はあるはずなので気にしすぎなくて大丈夫です。

起業・独立して個人事業主・フリーランスとしての働き方を考えている場合、得意先の幅はできるだけ広げていた方が良いです。何かがきっかけで自分の責任とは関係ないところで「干される」こともありえますからね。それでも世の中は広いので怖がりすぎないようにしましょう。

「協力機関」「ビジネスパートナー」という言葉と姿勢。

次に外部委託先について「協力機関」「ビジネスパートナー」と捉える場合。

この言い方をされている方々は仕事の面でも支払いの面でもしっかりしている企業・担当者が多い印象です。一つの仕事をチームとして進める意識や、結局の所チームからスタッフが欠けると案件が進まないことを知っているからです。

言葉一つではあるのですが、その言葉を使っている立場としてもその一つ一つのワードに自分自身の姿勢が引っ張られていくのも確かです。「外注先」と考えているのと「協力機関」と考えているのでは仕事の段取りも質も変わってきますし、前者は何かあったときに相手を威圧的に制しようとする感情につながってしまいやすくなります。

私の場合は独立して5年経って自分が発注側になることも多くなりましたので、姿勢として「協力機関」「ビジネスパートナー」と捉えて接することを大切にしています。これは仕事上の理由もそうですし、経営者としての自分のあり方を律するという意味合いもあります。

「働く」の根本に通じるもの

いつでも敬意を忘れないこと

協力機関にもユーザーにも敬意を持って接することって大事です。何のために働いているのかということにもつながる意識です。

単に金稼ぎだったら何でも良くなるのかもしれませんが、本来の「働く」ということはそうではないと考えています。特に東日本大震災の被災後にはこの点について深く考えさせられました。自分が生きる数十年の中で、社会に出た後は1日の多くの時間を費やす「働く」という時間の中で何を成し遂げようとするのか。

数字を追うのも一面では楽しいかと思います。しかし本質は別です。偶然にも同じ時代に生まれた人々と、たった数十年だけ一緒に過ごすこの世界。せっかくならばお互いに敬意を表して認め合いながら、次の世代に残すものを一緒に創っていくのが「働く」のあり方ではないのかなと感じます。

まとめ

発注側か受注側かどちらに立つかで言葉選びのスタンスは変わるかもしれません。

発注者側としては「協力機関」「ビジネスパートナー」として相手を敬うことを忘れないこと。これが回り回って本当に厳しい状況になった時に助けとなるかもしれません。逆もしかりです。

受注側としては「協力機関」「ビジネスパートナー」と捉えてくれる発注者を大切にして優先すること。「外注先」「下請け」として圧力をかけてくる発注先については中長期的にあなたのビジネスにとってプラスにならない可能性が高いです。

加速度的な人口減少に伴い、どの業界も人材不足がこのあと数十年単位で続いていきます。日本全体がバランスを保ちながら縮小していくとしても、足りない技術・人材のアウトソーシングの流れは一層進むはずです。

この時、最終的には技術やリソースを持っている立場が強くなります。それがいわゆる外部委託先だとすれば発注者側は逆に「選ばれる」ことになります。私の身近な業界ではすでにこれが始まっています。

言葉一つですが姿勢として気をつけたいですね。

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