起業・フリーランス

キャリアアップとしての川上への転職・起業と、さらに次のステージについて考える。

次の5年について計画を立てる中でこれまでのキャリアを振り返っていたら、ふと自分の中で霧が晴れたような気付き(というか再確認と言った方が良いかも)があったので言語化しておきます。※個人事業主としては平均年商1,200万円前後の事業規模イメージで語っていますのでご参考まで。

キャリアとしての印刷業界→広告業界→独立起業という流れ

社会人になって初めて勤めた企業は当時創業100年をそろそろ迎えるという印刷会社でした。企画営業的な位置付けでエリア担当をしながら数年働いたわけですが、印刷業って基本的には受注生産なんですよね。クライアントの意向に合わせて仕様から部数から掲載内容からデザインから全てカスタマイズするということ。観光パンフレットのように再版を繰り返すものもありますが一度きりで使い切りのものも多い。そして基本的にBtoBビジネス。年賀状だとか個人向けのものもあったりしますけれど勤めていた会社では極々僅かでした。

印刷営業って今はどうかわかりませんが当時は銀行と並んで「若手営業でも様々な業種の企業の社長と直接話して仕事ができる数少ない職」と言われていたんです。団塊世代の大量退職が迫っているという時期でしたから、個人的に「経験豊富な上の世代の経営者からできるだけ広い経験と視点を取り入れて学びたい」という思いで職に就いたんですね。クライアントの規模が地方の中小企業や自治体ということもあると思いますが、確かにその通りの経験を積むことができたと感じています。

次に転職した先は広告会社。こちらは広告・企画的な領域になりますから、やはり官民・業種を問わず様々なクライアントのお手伝いができる刺激的な業界でした。「広告」というくくりは非常に広くて、手法としての印刷が平面とすると非常に立体的なイメージでほぼ1から知見を積み直した期間でした。

この印刷→広告という流れは言ってみれば川下→川上という関係性であることが多いです。印刷業に就いていたときにはさほど気にしてはいなかったというか視野がその範囲に限定されていたのですが、広告業界に入って一気に視野が広がった感覚。それまで自分が関わってきたような範囲が、もっと大きな括りの中の1ツールであったことを認識したというイメージ。

スキルセットとしての営業力・製造知識・企画力・経営力

印刷業と広告業って近いようで脳みその使い方が全く異なっているように感じています。印刷は「モノづくり」寄りで広告業は「コトづくり」寄りと言えばわかりやすいでしょうか。これらは優劣があるというわけではなくて、それぞれの視点が違うということです。

転職直後は本当に1から、0からの再スタートというくらい最初は苦しかったです。転職って中途採用で即戦力を求められますから、ベースからどうすれば最短期間で自分のものにできるのかを毎日悩んでいたことを覚えています。「使えなければ捨てればいい」と言われるわけですよ。そういう時代です。それでも仕事自体の楽しさもありましたが。

もう5年以上前の話なのでと前置きをした上で、この頃は月150時間くらいの残業をしていました(年俸制で残業代は無し)。無駄に使うということはなくて、現業の作業もしながらどうすれば自分のスキルを磨けるかという前提で、黙々と粛々と試行錯誤を繰り返していた時間です。途中からは独立起業を視野に入れましたので、自分の中での基準も決めつつ、ストレスとも戦いながら準備を進めていたということになります。その当時はがむしゃらだったので振り返ってみればということもありますけれどね。

そこから最短で見込みが立った時点での独立・起業。勤めていた頃の自分を知っている方々は今でもその頃のイメージかもしれませんが、実は独立後の5年間が一番学びが多くスキルセットもかなり積み増しています。個人事業主とはいえ屋号を持って経営者としての意識でやってきましたし、年齢的にも社会に還元していく歳に入ることも意識してきました。そこでこの5年間は毎年異なるテーマで試行錯誤しながら事業とポジションを探ってきたということになります。

さて、ここまでで自分がイメージしてきた営業力(新規開拓も相当やりました)・製造知識(印刷・制作等の技術知識から原価計算まで)・企画力(最も意識して磨いた部分で直近2年はコンペ勝率8-9割キープ)・経営力(5年間黒字で運営資金も継続的に積み増し)についてある程度は揃ったというのが今このタイミングです。

手広く関わってきただけに各方面の基礎知識も身に付いているので、その知見も含めて次の5年間について働き方・社会との関わり方をデザインすることになります。

独立起業も結局は川上シフトだったとすれば、次の川上は。

次の5年間の方向性についてはある程度イメージがついていたのですが、どこかモヤモヤとしている部分がありました。それは過去から未来へのキャリアだったり生き方みたいなものを考えた時の一貫性をどこに置けば良いのかという点です。

そこで前述のようにこれまでのキャリアとその時期その時期の自分自身の考えだとか思いを整理してみたところ、結局「川上へ向かっている」ということだなというのが今回の気付きです。「川上」というワードは最初の転職でも意識していたので、再認識と言っても良いかもしれません。

そうすると「独立起業」の次の「川上」って何なんだろうということですよね。これかなり大切なポイントで、今の業務範囲を整理した上で個人事業主・フリーランスという「事業の形をシフト」するのか、事業の形はそのままで「事業内容をシフト」するのかを「川上の定義付け」も明確にしてから決断する必要があります。しかも平面的ではなく立体的に。

言ってみればこれまでは「法人成りしようかこのままフリーでいこうか」というレベルの検討だったのが、「価値を持つ企業をどう作り育てるか」「いくつ作るか」というレベルの話なんじゃないかと気付いたということ。「川上」の定義で変わってきますけれど。

まとめ

ということで今の自分が考えるべき事がわかりましたのでここ数週間で具体化していきます。働き方にも関わることなのでできるだけ慎重な判断にしますが、奇しくも独立起業してから満5年を迎える2019年5月1日は改元の日。新しいスタートを切るのにこれほどストーリーが繋がるタイミングは二度と来ないでしょうね。

とは言いつつ、もし法人登記するとなればGWで法務局が休みなので5月1日の設立というのは無理になりますけれど(まだ法人成りを最終決定したわけではないです)。遅くとも5月10日より前には何かしらのスタートを切る予定です。

進捗報告はこのブログでもしていきますね。ではでは。

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