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昭和27年(1952年)のギザ10に思う、鉄腕アトムが見た未来。

ギザ10

自販機の前で財布開けたら昭和27年(1952年)のギザ10が入っていたことに気付きまして。昨日の買い物のお釣りでまわってきたのだなと。かなり久しぶりに見たなと思いこの年について軽く調べてみました。

昭和27年(1952年)という時代

 

昭和27年(1952年)って2019年から遡るともう67年前なんですよね。第二次世界大戦が終わったのが昭和20年(1945年)ですから戦後わずか7年後。東日本大震災から今年で8年と考えると、このギザ10が鋳造された年と終戦との時間的距離感が何となく想像できます。

参考:1952年 – Wikipedia

Wikiでこの年を見てみると時代感がわかりますが、個人的には4月1日から少年漫画雑誌「少年」で連載スタートした手塚治虫先生の「鉄腕アトム」が象徴的だなと感じます(小さい頃から手塚漫画が好きなので呼び捨ては畏れ多くて「先生」と付けたくなる)。

不動のSF漫画「鉄腕アトム」とその前身的作品「アトム大使」

「アトム」というキャラクター自体の登場は「鉄腕アトム」が初めてではありません。同じく「少年」に1951年4月から翌1952年3月まで連載されていた「アトム大使」が初出です。「アトム大使」はざっくり言うと、地球人と他の地球から流れてきた移住民との共生と対立を描くSF漫画です。

両者の中を取り持つ「大使」として人造人間の「アトム」がいわば「脇役」としてデビューしました。その後キャラクターとしての「アトム」に人気が出たことから、「アトム大使」連載終了翌月からすぐに「鉄腕アトム」が連載開始されたという流れのようですね。ちなみに「アトム大使」におけるアトムの開発者も「鉄腕アトム」でお馴染み天馬博士。

そういえば海外の年齢層別に向けてリブートするという記事が2016年にありました。

参考)裏読みWAVE 「鉄腕アトム」、海外で年齢層別にリメークするワケ(NIKKEI STYLE)

更に2017年の記事では「リトルアストロボーイ」は11分×全52話で「2019年2月」の完成を目指しているというような内容も。

参考)「鉄腕アトム」新作TVアニメ製作開始 手塚プロダクション 鈴木良美プロデューサーに聞く(文化通信.com)

2019年2月ってもうすぐですよね。予定通り公開されるのかな。

鉄腕アトムとともに目指してきた未来

鉄腕アトムの誕生日は「2003年4月7日」なので、アトムに描かれた未来から更に15年以上経っている今。世界は手塚治虫先生の想像に対してどこまで追いついて追い越してきたのでしょうね。

H.G. ウェルズとともにSFの父と呼ばれるジュール・ガブリエル・ヴェルヌ(Jules Gabriel Verne, 1828.2.8-1905.3.24)は有名なこの言葉を遺しています。(本人はこんなことを言っていないという説もありますが)

Anything one man can imagine, other men can make real.

これよく出てくる訳語が「人が想像できるものは、人が必ず実現できる」というように微妙に日本語的にしっくり来ないのですが、「誰かが想像しうるものは、他の誰かが実現させることができる」「人が想像できるものは実現する」「人の想像は現実化する」というニュアンスでしょうか。原文がフランス語なので英語にしている時点でニュアンスが変わっている可能性もあるかもしれませんね。

今回手元にまわってきたギザ10は様々な人の手を渡りながらアトムとともに想像が現実化していく時代の進歩を見てきたというわけです。そう考えるとたった10円の硬貨なのに貴重な時代の証言者のようにも感じられます。

さて、せっかくなので鉄腕アトム関連の本でおすすめをいくつか紹介。

「アトム大使」が収録されている『鉄腕アトム(1)』&復刻版

ちなみに「鉄腕アトム」の文庫本には「アトム大使」もエピソードとして収録されているものがあります。手に入れやすいのは「鉄腕アトム(1)」。紙でもKindleでも読んでみたい方は是非。

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講談社コミッククリエイト
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手塚治虫先生の作品ってめちゃくちゃ多いので今の時代ならKindleで揃える方が良いかもしれませんね。でもかつて古本屋をまわって初版本とか探してしまう少年だった身としては、特にこの時代の漫画って紙だからこその味わいがあるようにも感じます。

今の時代だとネットですぐ見つけられますから便利ですけれど、当時は宝探しのように古本屋に足を運んできた記憶が。もちろん背取りや転売目的ではないですよ。純粋に自分のコレクションとして欲しかったんです。今でもその感覚がベースになってますね。「高く売れるから」ではない「欲しいという気持ち」を大切にしたいなと。

ちなみに「鉄腕アトム(1)」には復刻版も。店や出品者によってはプレミアムついていますが漫画自体をデータや情報として捉えるのではなくて、その時代の雰囲気だとかまで楽しみたいだとかコレクション用であれば復刻版ですよね。もちろん当時物のオリジナルがベストですけれど。

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復刻大好き向け『鉄腕アトム HAPPY BIRTHDAY BOX』

あと復刻系が好きな方は2003年の鉄腕アトム誕生日に合わせて発売された「鉄腕アトム HAPPY BIRTHDAY BOX」。これこの記事書きながら色々と調べてたら出てきて、欲しくなって注文しました(笑

届いたら写真追加します。

ボックスの内容はかなり充実していて情報が多いので、Amazonの商品ページから公式のものを引用します。

[ボックス収録内容]
(内容は出版社都合により予告なく変更される場合がございます)
1)読みきり付録完全復刻本
読み切り別冊付録全9冊の中から、ベストセレクションを完全復刻
《アトム赤道をゆく》読み切り付録本第1回 昭和28年8月号 28ページ
 雑誌『少年』の付録マンガで、鉄腕アトムが最初に登場した作品の完全復刻。アトムのコミック関連アイテムの中でも最もプレミアム価値が高い。
《電光人間の巻》昭和30年1月号 104ページ
 目に見えない難敵と対決する傑作
《ブラックルックスの巻》昭和32年9月号 132ページ
 母と子の愛を描いた感動の名作

2)アトム貯金箱
幻のアトム・フィギュア復刻
カッパコミクスの感想文募集に送ると、いい感想文を書いた人にプレゼントされる非売品ノベルティグッズ。当時の少年たち垂涎のアイテム!
ソフトビニール製 H9.8cm×W8.0cm

3)特製!トレーディングカード
鉄腕アトム・別冊付録
「表紙&扉絵」全揃い97枚
「鉄腕アトム」の別冊付録は、全部で97冊。その全表紙&扉絵をトレーディングカード化。裏面には、詳細なデータを収録!

4)複製生原画
手塚治虫[鉄腕アトム]複製生原画
昭和20年代、30年代にかけて『少年』に掲載された初期作品の中から、美麗な彩色原稿を中心に複製!全10枚。

5)アトムソノプレーヤー
当時の音が蘇る!組み立て付録の傑作
「少年読者に夢と驚きを与えた、画期的付録だったソノプレーヤーを、ソノシートも含めて完全復刻!「鉄腕アトムの歌(朝日ソノラマ)がとびだす」昭和39年9月号付録。

6)帯シール全揃い
懐かしのシールコレクション
「カッパコミクス」シリーズには、手塚作品キャラクターを印刷したシールが付属しており、たいへん人気を博しました。現存率が超レアな全34号分をシート型で完全復刻!

7)鉄腕アトム誕生!大全
誕生特別企画!「アトム大使」新装コミックス
鉄腕アトムの誕生を描いた、科学冒険漫画「アトム大使」を当時の誌面のままコミックスに!カラーページも完全再現!
●科学冒険漫画「アトム大使」全12回分
 雑誌『少年』昭和26年4月号よりスタートした全12話。
●「鉄人アトム」予告ページ
 仮題の「鉄人アトム」で描かれた予告ページ。
●科学まんが「鉄腕アトム」
 第1話アトムのパパとママが誕生する正式な第1話。
●鉄腕アトム誕生秘話
 当時の関係者にインタビュー。『少年』に掲載された貴重な記事ページも再録!

Amazonの商品説明より引用

「アトム大使」の復刻も入っていますね。中古とかで探すとバラバラで個別に出品されているものもありますが、プレミアム品扱いでそれぞれ数千円という値付けがされていたりします。記事投稿時点だとまだ新品や新古品が適正価格帯でいくらか出ていますから、最初からセットで買うのがおすすめ。

描くのも好きor手塚治虫先生マニア向け『手塚治虫ヴィンテージ・アートワークス漫画編』

漫画の楽しみ方って色々あると思います。特にただ読んで楽しむだけではなく「描く」のも好きな人だと「作者のことをどんなことでもできる限り知りたい」という方向にのめり込んでいきます。

「どうやって設定とか描いているんだろう」とか「下書きを見てみたい」とか「世に出ていなかった原稿があれば読んでみたい」とか。

そのようなマニア(というか大ファンというか漫画好きというか。。)向けにはこの本がおすすめ。A4サイズの大型本で224ページ。特に未使用原稿(ボツ原稿)が残っていてそれを見られるなんて(ボツにした理由はあるのでしょうから世に出して良いのかという問題はあるにせよ)ファン垂涎です。資料として最高です。

 まとめ

ギザ10から始まって鉄腕アトムの記事書きながら、自分が手塚治虫先生の作品が大好きであったことを再認識しまして、もう書きたいことがありすぎて終わらないのでこのあたりにしておきます。しかもレビュー書きながら見つけた商品も欲しくて買っちゃうんですよね。。

レビュー関係って趣味のカメラとかガジェット中心で考えていましたが、今後は漫画も入れていきます。昔の漫画は今更レビューする必要ないかもしれませんが、雑記の流れで紹介するような感じにするかもしれません。参考にしていただければ幸いです。ではまた。

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