書評

デザインレイアウト見本系なら間違いなくこれ。”文字のレイアウトで魅せる広告デザイン”

デザイン・レイアウト系の現状ベストと言っていい1冊

“文字のレイアウトで魅せる広告デザイン”

デザインのレイアウト見本帳的な本は山程あるけれど、その中でも今年買ったこの本がとても良かったのでご紹介。これ系の本では少なくともここ数年でベスト。デザイン初心者にもとても参考になると思うのでかなりおすすめです。

レイアウト・デザイン本のいくつかの系統

レイアウト系のデザイン本ってサンプルの分け方にいくつか方向性があります。

例えば「業界ごとの分類」。これは住宅系とか、学校紹介系とか、食品小売系とか。実際のところ業界によってデザインのパターンってある程度決まってくるというか傾向がある部分があるので参考にはなる。

あとは「印刷物の種類による分類」。これはパンフレット、ポスター、チラシ、DMなど。

さらに「1色・2色のデザイン」とか「地方のデザイン」とか様々なレイヤーと組み合わせでこのデザイン・レイアウト系の書籍は成り立っています。

デザイナーはパクるわけではなく参考にする

これ系の本って何のためにあるのって感じる方もいるかもしれませんが、大抵のデザイナー(特に商業デザイナー)はあるデザイン案件が仕事として入った際に、アイディアを整理してイメージを固めていくために前例を参考にするのです。

これはパクる的な話ではなくて(中にはそういう方もいるかもしれませんが)、そのデザインイメージの方向性を感覚として確認していくようなものです。「手書き系だとこっちではなくてあっちの方向性だな」とか「写真とフォントのバランス、これがイメージに近いな」とか。

あとは営業担当との打ち合わせの際に方向性を確認することに使う場合もあります。いずれアイディアの方向性を明確にしたり、デザインの要素としてヒントを得るために使うのがレイアウト系のデザイン本です。

デザイン初心者にとっても過去のアイディアを見ることで勉強になります。ちなみに独学でデザインしたい人はレイアウト本とか好きな書籍・雑誌を買ってきて、とにかく同じようにillustratorで作ってみると良いですよ。技術的にわからないことが出てきたらネットで調べるか質問すればよいです。

目次の分類が秀逸

さて、この「文字のレイアウトで魅せる広告デザイン」が素晴らしいのは「デザインの分類方法」です。目次を引用します。

  1. 枠 で かこむ
  2. かさねる
  3. 手 で かく
  4. かくす
  5. まわりこむ
  6. かこむ
  7. しきつめる
  8. 動き を つける
  9. かたむける
  10. みたてる

わかりますでしょうか。「業界」とか「印刷物の種類」とかではなくて、「デザインのアイディア」で分類されています。事例としては300点以上。この分類方法は応用力がとても高くて、デザインコンセプトを考える際にも役立ちます。

特に地方で商業デザインの案件をしていると業界ごとに好まれるデザイン傾向があることも確かなのですが、それに加えてデザイン上のワンアイディアが入ることで垢抜けるというか単なる商業デザインからは一歩抜け出ることができるというか。それがクライアントから選ばれるかどうかが別なところはありますが「デザインって単なる組みではなくてそういうことだよね」とシンプルに認識できる1冊です。

まとめ:専門書は高いので1冊選ぶならとりあえずこれ。

デザイン系に限らないかもしれませんが専門書ってどうしても高めの価格設定になります。これは広く一般に求められるものではないので発行部数が限られてくることに影響されているのだと思います。

このため専門書を集めようとすると結構な出費になります。私も月に数万は使っていますが、仕事的に近いベテランの方でも節約のために中古本で集めていたりします。まぁここは投資と割り切っています。仕事1案件で十分回収できますし。

いずれ気になるものを片っ端から買っていくことができない場合、レイアウト系で現状1冊選ぶならこれから始めるのをおすすめします。尚、買い揃える余裕が出てくると際限なく集めたくなるのですが、私はしばらくこれ1冊でいいかなと思えるくらいのものでした。

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