お盆に久しぶりに従姉家族が地元に帰ってきまして子育てについて話しました。従姉は人口が多い隣県の都市部に住んでいて幼稚園児の息子がいます。
我が子が生後6ヶ月ですので色々と情報交換することもあるのですけれど、その中で「赤ちゃんを体をちょっと動かすために遊ばせたい時ってどこに行くの?」と聞かれて答えに困ってしまいまして。
都会と田舎では「子育て」に関する施設・設備・サービスの充実度に根本的な差がある。
私が今住んでいるのは一応県庁所在地ではあるものの、地方の田舎の自治体です。一方で従姉家族が住んでいるのは政令指定都市がある県なので、田舎暮らしの私たちからすれば「都会」です。
この「都会」と「田舎」の子育て環境の違いについて、妊娠から出産にかけてはどうしても病院などの選択肢の少なさや医療レベルの高さなどについて気になったりもしましたが、ここ最近はあまり意識していませんでした。
というのも新生児期から現在の生後6ヶ月までの半年間については、それほど頻繁にあちこち連れて行くことができるというわけではないからです。
基本的には自宅で過ごす時間がかなり長い時期になりますから、その環境で何をどのように整えて充実させていくのかというのが主な課題であり過ごし方なんですよね。
たまに出掛けるにしても「子育て世代に優しい設備がちゃんと整っている店ってイオンしかないよなぁ」というのは正直ありますが、これもそれほど不便だったり不満に感じているというわけでもなく。田舎暮らしならではの慣れの範囲なのかなと。
それが「赤ちゃんを体をちょっと動かすために遊ばせたい時ってどこに行くの?」という質問をされた途端に、「え? どういうこと?」という感覚になってしまうんです。
そもそもその考えが無いというか、選択肢が無いというか。
確かに大型家具店などの一角に子どもが遊べるスペースが設置されていて生活圏の人たちが遊ばせに行くということはありますが選択肢として数えるほどです。
おそらく従姉の質問の意図としては「○○キッズパーク」的な、「子どもを遊ばせることに特化した施設」としてどこに行くのかということだったのでしょう。
数十キロ車を走らせれば確かにそのような施設もあるにはあるのですが、「体をちょっと動かす」というのは「(数十キロではなく)数キロ圏内で軽く車走らせて1時間くらい遊ばせて帰ってくる」というイメージなのかなと。
すると答えとしては「んー、ないなぁ」となってしまうんですよね。「家で遊ばせるからなぁ」とか。
それと同時に「あぁ都会に住む親は子どもを気軽に連れて遊ばせに行く選択肢が普通にあるんだなぁ」ということに気付かされるわけです。
田舎に住んでいると子どもの数自体が絶対的に少ないですから、しっかりとマネタイズできるサービスとして成り立たないということもあるのかもしれません。自治体運営の同様の施設サービスもないわけではないのですけれど、それも選択肢としては各自治体に1つとかのレベルですよね。
生後6ヶ月の現状ではそのような施設・サービス利用の必要性を感じないのですけれど、これが月齢・年齢を重ねていくにつれて家だけだと不十分になってくるというのは確かに有り得るなと。
田舎は田舎なりの暮らし方がありますから遊ばせる場所が無くて困るという程にはならないとは思いますが、子どもにとって経験や成長の機会となる場所が選択肢としてどれだけあるのかというのは大切なことかもしれません。
「子育て環境」の差でも人口が減っていくという事実。
このことについて少し俯瞰的に考えてみると、田舎から都会への人口流出の理由に「子育て環境」の充実度がかなり大きく関わってくるということがありますよね。
もっと言うと「妊娠〜出産環境」も大切です。臨月近くになって田舎の実家に里帰りするような場合を除いて、移住・定住の条件項目としてよく言われるのが「安心して子どもを産める病院があるの?」ということ。私が住んでいる県の市町村でも「通える病院が無い」という課題を抱えている自治体はあります。
その延長線上で「安心して子どもを育てられる環境があるの?」というのが次の段階になりますよね。
私も子どもができる前に移住・定住の企画案件に携わったことがありまして、その際に各市町村自治体の情報を調べてまとめてみると「自然の中で子どもを心身ともに健康に育てられます!」ということが謳われていたりするものでした。
これは裏返すと「施設・設備・サービス的な充実度はどうしても低くなってしまう」という人口が少ない自治体の大きな課題を表しているように見えますよね。
私自身は田舎産まれ田舎育ちで今現在もそれで良かったと感じているので問題はないのですけれど、一度でも子育て環境が充実している都市部に住んだことがある方であれば不安・不便に思われてしまってもしょうがないのかなと。
ネットでどんな情報もリアルに手に入る時代ですから、寧ろ「自然が豊か」というアピールが「それ以外にアピールポイントが無い」と捉えられる可能性も少なくないわけで。このあたりは地方・田舎に暮らす側が取り組んでいくべき課題です。
30代までずっと地元で暮らしてきた従姉が都市部に移住して子育てをしていて、おそらくもう地元には帰ってこないのではないかなという現状に色々と考えさせられます。もし帰ってくるとしても子育てが一段落してからなのかなぁと。
同様の例が数え切れない程あって、地方から都会への人口流出が止まらないのでしょうね。
まとめ
ということで、子育てについて従姉家族と話している時にふと聞かれた「赤ちゃんを体をちょっと動かすために遊ばせたい時ってどこに行くの?」という質問に子育て環境の差を考えさせられた話でした。
どちらが良いということではないとわかりつつ、いざ親となってみると「子どもの成長機会を制限したくない」という気持ちは身に沁みてわかります。日本の総人口が既に減り始めているにもかかわらず東京の人口は増え続けているというのも、大人の生活環境だけではなく「子育て環境」という視点が少なからず関係しているのでしょうね。
我が家は今の住まいから移る予定はないので地元で子育てしていくつもりですけれど、どうやって子どもが健やかに成長できるような環境を与えてやれるかについては要検討です。ではまた。