在宅中心の生活を続けていると季節を感じるのは日の長さと庭の草花によるところが大きいのですけれど、今の季節ならではの花と言えばカタクリですね。
庭木と違って勝手に咲く野草については特に手入れをしているわけではないのですが、毎年同じ場所に咲くカタクリが今年も花を咲かせています。
開花するのがたった2週間程度のカタクリは春の訪れの象徴。
カタクリは「Spring ephemeral(スプリング・エフェメラル:春の妖精)」と呼ばれる植物のひとつです。
エフェメラルというのは「儚い」「つかの間の」「短命の」というような意味合い。
1年の殆どを地下の球根などで過ごして、春の短い間だけ地上に顔を出して花を咲かせる植物を「スプリング・エフェメラル」と呼ぶんですね。
カタクリの他にはイチリンソウだとかアズマイチゲだとか、日本でも春の風物詩と呼ばれるような景色でイメージされる山野草がこれに当たります。
北東北だと4月から5月上旬にかけてが雪解けの春で桜も咲くような時期。
山間部だと雪が解けて現れた地面にパッと咲いて消えていくのがカタクリの花のイメージでしょうか。
庭のカタクリもそうですが花が咲いているのは2週間程。
しかも後半は花びらがクルンと丸く反ってしまうので、ベストなコンディションで楽しめるのは非常に短い期間です。
花が終わってからも葉は残りますが、最終的には葉も枯れて地上からは姿を消します。
次の春までは地下で過ごすわけですね(目に見えないところでは秋ごろに休眠から目覚めて根を出しているようですけれど)。
いずれ本格的な春が訪れるのはカタクリの見頃が終わってからという感覚があります。
カタクリのように見頃が短くて毎年同じ時期に咲く草花はその季節の象徴になりますから、庭などにはそれぞれの季節に見頃を迎える多種多様な庭木や草花があると暮らしが豊かになるように思います。
昨年のカタクリの開花時期と比較してみて。
2019年の写真データを振り返ってみると4月19日に撮影したものがこれ。
ほぼ同時期に咲いていますね。少し今年の方が早いかもしれませんが。
庭の別な場所にもポツポツと咲いているものの、種から育てると開花するまで7〜9年かかるとのことで増やすのは中々難しいようです。
地中の子株を分球するという方法もあるようですが日本のカタクリは球根で増える力が強くないそうで、こちらの方法も簡単ではないんですね。
我が家の庭は以前に住んでいた方が造っていたものを受け継いで少しずつ手入れしているので、このカタクリも自分たちで植えたものではありません。
ただ住み始めて10年になりますから、もしかしたら引っ越し当時はまだ花を持っていなかったカタクリや落ちた種から育ってきた株があれば少しずつ咲き始めてくるのかなと淡い期待を持っていたりします。
剪定をしている庭木と違って草花については自然に任せるようにした方が景観を楽しめるかなと感じているので、数年単位での移り変わりを毎年見守っていくのも良いですよね。
ただし一般的には咲き終わった花がらは種を取らないのであれば摘んでしまうのが好ましいようです。
ちなみにカタクリの花自体の寿命は40〜50年程度とも言われているので、家が古いことを考えると庭で今咲いている株があとどれだけ生きるのかはわかりません。
できれば種からでも新しい株が少しずつ増えていって、花が咲くまで何年もかかるとは言え株が更新されていくようになっていくのが理想ですね。
庭の草花を撮影するときのRICOH GRIIIの使いやすさ。
余談ですが庭の写真を撮るのも基本的にGRIIIを使っています。
マクロモードでの最短撮影距離が約6cmでして、旧機種のGRIIの約10cmと比較すると使いやすくなっています(もっと寄りたいと思う時もありますけれど)。
コンパクトサイズの利点として、カメラ本体とレンズが小さいので低い位置からの撮影がしやすいんですよね。
被写体の周りに何もない状況であればデジタル一眼などでも変わらないのですが、他にも植物がある中でちょっとした空間にカメラを入れて撮影するようなことはコンパクトデジカメならではのメリット。
しかもGRIIIはタッチシャッター機能が使えるので、少々無理な角度でもディスプレイで確認しながら被写体をタッチすることで撮影できるのが良いですね。
液晶ディスプレイ自体の角度を変えることはできませんが、慣れればこのタッチシャッター機能は草花を撮影する場合に恩恵が大きいことがわかります。
あとは例えばカタクリのように背丈の低い草花を下から見上げるように撮影することができるのもコンパクトデジカメならではの画角かもしれません。
この場合は撮影時にディスプレイ確認できないですけれど。
同じようなことは小さめのミラーレスカメラに薄いレンズを組み合わせれば可能ですが、GRIIIくらいのコンパクトさだと手軽にストレスなく撮影できるので「撮ってみよう」というモチベーションにつながります。
カメラって高級で大掛かりな機材であればあるほど撮影者の意図した通りの写真が撮れる可能性が高まりますし、機材自体の強度も高まります。
ただしその分セッティングだとか運用が大変になってくるのも確かですから、プロカメラマンでなければ日常の生活スタイルに合わせたレベル・サイズ感のものを選ぶのがベターだと思いますね。
まずは「撮ってみよう」「撮りたい」「楽しい」と感じることが大切ですから。
まとめ
ということで早春に儚く咲いては散っていくカタクリが今年も庭に咲きましたよという話でした。
ここしばらく冬期間や自粛生活も相まって娘の写真ばかり撮っていたのですが、季節的に自宅周辺でも植物や鳥や虫などの画になる被写体がやっと現れ始めます。
子育てしながらだとなかなか難しい部分もありますけれど、もっと写真を撮っていきたいなと感じているところです。ではまた。