故郷で1から作られたジャケットを着たいなぁと思い立って、1年をかけて先週ついに生地が出来上がったホームスパン。テーラーさんに採寸していただいて1週間で仮縫いまで進んだので、本縫い前の調整確認のために工房までいってきました。
ホームスパン生地に1年かかったもののそこからは早い早い。
ホームスパンは生地を作るための縦糸緯糸を作るための何種類もの羊毛の染色から始まります。一つ一つの工程が手作業で進められていくことと、季節によって温度湿度が変わる中である意味で自然に合わせて作っていくので非常に時間がかかるんですよね。
またこの作業を工房への注文順に進めていくということもあって、今回は生地の仕上がりまで約1年がかかったというわけです。ホームスパンの服は何年も何十年も着ることができるものですから、最初に仕立て上がるまでは楽しみにしながら気長に待つのも悪くないもので。ものづくりの本来のスパンというものを改めて考えるのに良いきっかけにもなりました。
生地の仕上がりのタイミングでテーラーさんへの引き継ぎも一緒にしまして、その場で採寸までしていただきました。「年始から着られるように年内に仕立て上げましょうね」と言っていただいて、それから1週間で仮縫いの確認となったわけです。
ここで微妙な調整をしていただきつつ、スタイルの最終確認。1週間前に生地の仕上がりを見てはいたものの、実際に仮縫いで立体的なジャケットになってくると更にイメージが良くなっていて嬉しいものです。
ホームスパンは遠目に見ると特定の色に感じるのですが、近くでよくよく見ると何色もの糸が混ざり合っていることがわかるのが特徴。ジャケットの形になることでその色合いの魅力がより強く感じられます。
またホームスパンの服は年齢が高めの方が着る場合が多いのでどちらかというとゆったりしたシルエットのデザインが多いとのことでしたが、今回は私の年齢でもカジュアルにも着られるように少し絞ったシルエットにしていただきました。
基本的には仮縫いの状態で大丈夫ではあったものの、脇の内側の部分がもう少しだけ余裕があると動きやすいなということで調整していただくことに。またボタンの位置や襟元の開き方などについても確認して終了。
後は10日間ほどで仕立て上がる予定となります。テーラーさんのおかげでもあるのですけれど生地が出来上がってしまえば仕上がりまでは意外と早いものですね。
年内にはジャケットが仕立て上がる予定。
ということで仕立て上がるのは12月28日の予定。年末年始に外に着ていく機会はそれほど多くないかもしれませんが、冬本番となるタイミングで着始められそうなのはよかったですね。
日頃の手入れや管理については受け取りのタイミングで改めて詳しくレクチャーしていただこうと思います。あとはできるだけ普段着に近い形で着ていきたいとは考えていますが、(私はタバコを吸わないので)タバコ臭が付きそうなところには着ていかないようにしたいなぁとか考えたりしています。
また実際に仕立て上がった段階で軽さとか動きやすさなども考慮しつつ、合わせるコートなども再検討する必要があるかもしれませんね。独立してからはスーツを着ることもコンペ・プレゼンや講師案件以外だとあまりなくなっているので、今のファストファッションと組み合わせても違和感なければそのままにしますが。
上下ガッチリ固めるのはあまり好きではないので、ジャケット以外はラフな格好でいきたいというのが本音です。北国の冬は寒さが厳しいのと車移動が長い場合も少なくないので、スーツのジャケットと同様に移動中は着ないということもあるかもしれません。それほど寒くなければコート代わりにジャケットを羽織るだけで良い時期もあるでしょう。
あとは組み合わせで考えなければならないのは腕時計。
生地の色が写真だと伝わりにくいのですけれど深い青緑系で、遠目には紺系にも見えるようなイメージです。今持っている腕時計はシンプルなものが中心なので基本的には合うとは思うのですけれど、折角なので何か新調するのもありかなと。
ゴテゴテしたのは好きではないので、ノンデイトのシンプルな3針モデルかクラシックなスモールセコンドが良いですね。最近のモデルで理想的なのがなければ中古市場で探すことも考えます。
企業勤めだった頃にはほぼ毎年スーツを買っていたのですが、独立してからは多少カジュアルでも問題なくなったので買うことも仕立てることもほぼなくなっていました。たまにはこうやって色々とチョイスを考えるのも楽しいものですね。
まとめ
仮縫いとは言え一度袖を通してみるといよいよだなという実感がわいてきます。
生地の仕上がりが薄くなる平織りにしたこともやはり効果があって、予想よりも軽くできていました。着脱時の滑りを良くして生地の擦れも軽減できるようにこの後に裏地をつけるのでいくらか重くはなりますが、当初の希望通りの軽さにはなりそうな感じ。
最終的な仕上がりを楽しみにしながら10日間を過ごそうと思います。ではまた。