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YASHICA digiFilm Camera Y35 買っちゃってたよ。
ネットで阿鼻叫喚の嵐を巻き起こしている話題のカメラ。
何かと話題のYASHICA digifilm Camera Y35。kickstarterでちゃんとバッカーになってましたよ。それで本日2018年10月30日に無事届きましたので開封レビューです。実際の撮影については後ほど時間とって検証します。
それにしても何が炎上しているかを簡単に説明しますね。このプロダクトはkickstarterでHK$800,000-を目標にスタートしたキャンペーンで、最終的に全世界6,935人のバッカーから合計HK$10,035,296-を集めてゴールしたものです。2018年10月30日時点でのレートが1香港ドル=14.37円程度ですから、合計144,218,643.76円=約1億4千5百万円を集めたということです。
YASHICAというメーカーを知らない方も多いかもしれませんが、要は昔ながらのフィルムカメラの見た目のデジタルカメラです。液晶画面などはなくて、単3電池2本で動き、digiFilmというカートリッジを入れ替えることで写真の色味だとかを変える事ができるというコンセプト。今の時代はスマホでもデジカメでも設定とか後加工で簡単にモノクロにしたり色味を変えたりできますよね。それを敢えてアナログなカートリッジ交換という手間を増やしつつ、写真の楽しみ方を提案しているカメラと理解してください。あとはシャッターを押す際も一回一回巻き上げレバーを引かなければシャッターが押せないようになっていて、これも昔のレンジファインダーや一眼レフのカメラの手順を習っています。まぁこれはあまり意味がないというかあくまで様式美みたいなものです。
ここまでは良かったのですが、プロジェクトのゴール後の生産が大幅に遅れて、やっと最近になって世界中のバッカーたちに届けられ始めたものの、その完成度の低さというかチープさに阿鼻叫喚の嵐を巻き起こしているのが今の状況です。大幅な遅れに対して不満に感じた結構な数のバッカーが「約束が違うから金返せ」と言い始めていた矢先に、手元に届いたのはトイカメラよりも簡素なレベルのプラスチッキーな代物だったことで大炎上したという流れですね。
トイデジ感覚で出資していたので炎上騒動は静観しつつ。
かくいう私もバッカーだったわけです。kickstarter自体はこれまでいくつかのプロダクトのバッカーになっていまして、まぁ実際届くもののレベルには色々差があるものの大まかには満足しています。個人的にはある程度はプロトタイプ的なものであると理解した上でバッカーとなれば「そんなもんだよね」で済むかなという感覚です。このYASHICA digiFilm Camera Y35についても、最初のプロジェクト立ち上げ時のある意味で魅力的なプレゼンテーションから段々と実情が推し量られるようになるにつれて「あぁこれはやっぱりトイカメラだな」と感じていましたので、世の中の阿鼻叫喚を見聞きしながらも「まぁまぁそう怒らずに」というスタンスでした。
実際、digiFilmというカートリッジを交換しながら、必要もない巻き上げレバーを引いてシャッターを押すというのは「その儀式を楽しむ」というレベルのものです。価格的にもkickstarterのどのセットを選んだかによりますが1.5万〜2万円くらいのもの。デジタルハリネズミなんかよりも安いわけですからトイカメラ・トイデジ感覚での出資でした。遊べればそれでOKです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが開封レポです。
YASHICA digifilm Camera Y35 開封の儀。
パッケージ
まぁシンプルで悪くないかな。国際便だったからかちょっとボコボコになってるけれど。
裏面。そのまま裏返すと上下逆になるのね。天地合わせしていないのはわざとなのかはわかりませんが、蓋開いたときの全体の天地が合うようになっているのでデザイン的に合わせたのかなという気もする。普通は箱に組み立てた状態で天地合わせると思うけれど。
側面にはメッセージ。”starting from 2017.10.10″って書いてるが、プロジェクト自体のスタートからはそんなにかかってるんだね。
それではフィルム剥がしまして、開けます。
こんな感じ。パッケージは割としっかり作られている気もする。カートリッジのdigiFilmは最大6個入るようになっていますね。これはkickstarterでどのプレッジ(セットとなるコース)を選んだかによって個数が変わります。私の場合は5個セット。
実は追加でもう一個(ヤシカブルー)頼もうとしたのですが、kickstarterの専用フォームからプロジェクトチームに追加注文の問い合わせしたものの全くリアクションもらえなくて結局追加できずそのまま送られてきました(苦笑
プラの蓋を取りました。まぁ玩具っぽいですがこんなもんじゃないでしょうか。
さてYASHICA digifilm Camera Y35 本体外観はどうでしょう。
取り出してみました。完全にプラスチック。でもパット見の雰囲気はYASHICAのレンジファインダーカメラっぽい。形を真似たトイデジって感じですね。とても軽いです。
上から見たところ(上下逆にしたほうが良かったかもしれませんが)。向かって右の部品は動きません。これは本来はフィルムカメラで撮り終わったフィルムを最初まで巻き戻すための部分です。YASHICA digifilm Camera Y35ではそのフィルムの代わりにdigiFilmを入れるわけですから、動かせる必要はないということですね。これにも批判出てましたけれど、例えばdigifilmカートリッジを外すときに引っ張ることでロックが外れるとかを期待していたのでしょうかね。個人的には別に飾りでも良いかなという感覚です。
撮影の方法としては、左下のシャッターボタン周りのパーツを矢印の方に回すと電源オン、その後に左上のレバーを引いてから、シャッターボタンを押す手順です。真ん中の黒い円のパーツは露出補正のようですが本当に機能するのかどうかは確認必要かな。どちらにしても使わないような気もするが。
背面。向かって左側がファインダー。真ん中にLEDライトがあって、ここで動作を確認します。digiFilm camera Y35の表記の下にはシールで使い方が書いてあります。
・RED light indicates camera is ready for shooting. Take photo when RED light in on.
(=赤いライトがついたら写真取れるよ)
・When photo is taken saccessfully, PURPLE light is on with a shutter sound.
(=撮影に成功したら、シャッター音と一緒に紫のライトがつくよ)
・Should it not be the case, take photo again and ensure PURPLE light is on.
(=そうならなかったら、もう一回写真を撮って紫のライトがつくことを確認してね)
3つ目の説明が全く解決になっていないのが気になりますが、簡単な使い方説明でした。赤いライトがついたらスタンバイOK、写真撮ったらシャッター音が鳴ってライトが紫に。そしてまた赤いライトになったら次の写真撮れるよ。ということですね。
ちなみにファインダーを覗くとこんな感じ。ただの箱です。右下に少し見えるのがレンズキャップ。視差が出るのでファインダー覗かない方が良いかもしれません。と言ってもディスプレイモニターもないので結局の所、PCに取り込んでみないと構図もわからないという不便さはありますね。フィルムカメラに近いと言えば近いですけれど。
レンズキャップはまさかのスクリュー式。回して外すとレンズが現れますが、レンズ部分は特に操作できるパーツはありません。
レンズも全面にあるのはフラットなパネルで、奥に見えるのが小さなレンズです。インターネットカメラ的な簡易的なものという話も出ていましたがその通りですね。デジタルハリネズミも2以降はこのように奥まったレンズの手前にパネルを置いて保護する形ですので、トイデジとしてはこんなもんだろうという感触。
底面には三脚穴と、スライド式の蓋が。後述しますがここ開けるとSDカードスロットとUSB端子があります。本体の外観はここまで。プラスチックで軽く、まぁ安っぽいっちゃあ安っぽいですけれど、価格を考えた上でトイデジと思えばこんなもんでしょうね。
Y35のギミックの心臓部「digiFilm」の外観。
こちらがdigiFilm。その名の通り、フィルムカメラのパトローネのデジタル版といった位置付け。フィルムカメラでは自分のイメージや撮影環境に合わせてISO感度やフィルムのメーカーや種類を選んでいたわけです。デジタルの時代になって、その選択や味付けはソフト処理で比較的簡単にできるようになりました。だからこそdigiFilmのように「敢えてそのセッティングをカートリッジ式にする」というのは一見無駄にも思われますが、様式美としては有りというか面白いなと感じます。あくまでトイデジとしてですが。
digiFilmの裏側はこんな感じ。端子があって、板状に出ている部分は本体から外すときの取っ掛かりになります。形としてはAPSフィルムのカートリッジに近いですね。
YASHICA digifilm Camera Y35の動作確認。
裏蓋を開けるスライドがついています。これは結構固くておもちゃっぽさ全開で操作しにくい。
開けてみました。結構すぐ壊れそうですが、壊れてもどうにでもなりそう。ただの蓋ですからね。
向かって左側がdigiFilmを入れる場所。右側が単3電池2本を入れる場所。シンプル。
セットするとこんな感じ。チープっちゃあチープ。digiFilmを嵌め込むときの感覚がゆるいというかカッチリはいかないので少し不安になるけれど、とりあえず押し込んでおけば大丈夫っぽいですね。あとは元通り蓋を閉めればOK。
底面のスライド蓋を開けるとSDカードスロットとUSB端子。SDカードは押し込むとカチッとなるタイプ。外すときはもう一度押し込むことで出てくる。一般的なものですね。
ここまで準備して「あれ、そういえば説明書とかないのか?」と思って箱をよく見てみると、プラケースを取り除いた底にありました。USBケーブルと説明書などが入っています。ちょっと寄り道して見てみましょう。
ポストカード。YASHICA digifilm Camera Y35で撮影した写真でしょう。色味から見ると「in my fancy」カートリッジで撮ったやつかな。
裏面見たら説明にありました。やっぱり「in my fancy」でしたね。日本で撮影されたものとのこと。
説明書は2部。ペラ物の説明書は、YASHICA digifilm Camera Y35本体とパソコンをつなげて時計を同期させることでタイムスタンプが正しく記録されますよというもの。ジャバラ折の方は一般的な説明書。そうさ方法は本体に貼ってあったシールの内容と基本的には同じですね。
パソコンと本体を接続するとLEDライトが点灯します。これが紫(パープル)のライトかね。少し明るいのでわかりにくいが。ちなみにWinもMacも対応しています。昔のトイデジってWinにしか対応していなかったりしたのでMac使っている身としてはこれは助かる(まぁ今は普通だとしても)。時計のセッティングはほぼワンクリックなので簡単です。
時計のセッティングを終えて試しに撮影してみようと思いまして、スイッチをオンにしたのですが、ここで問題が。サウンドとともに紫のライトが一瞬ついて消えるんですよ。本来なら音は鳴らずに、紫のライトが付いたあとに赤いライトになってスタンバイ完了となるはず。
試しに巻き上げレバー引いてみてシャッターボタンを押してみますが、シャッターは押せるもののシャッター音は鳴らず。これは撮れているのか?と思ってSDカードを確認してみたのですが、やっぱり撮影データはない。撮れていない。んー困ったな。と何度か繰り返しているうちに、なぜかスイッチを入れるたびになる音が途中で「ヴヴヴ…」と言いながら途切れてライトも消えて、うんともすんとも言わなくなりました。
動かなくなった!
つづく。