GR

R1から始まった系譜の一つの到達点-Ricoh GR-

Ricoh GR。2013年発売の機種だが5年経った今でも私の中ではベストのカメラだ。ちなみに作例どうこうという記事ではなく道具としてGRめっちゃ好きという内容なのでご了承を。

GRへと続く道

驚異的な薄さのR1は今でも最高のコンパクトカメラだ

始まりは1994年に発売されたリコーR1。グリップを除いた本体がフィルムのパトローネよりも薄い25mmという超薄型軽量のコンパクトフィルムカメラ。しかもオートフォーカス。写りの関係でR1sという改良版がすぐに出ることになるのだが、今の時代にフィルムカメラで遊ぶなら記念碑的なR1は「時代」を持っている感もあっておすすめ。このポケットに入るサイズ感と軽さは最高だ。この時代のカメラはどうしても上部液晶が薄くなっていたりする個体も多いけれどそれもご愛嬌。

私は予備含めてR1を2台持っている。片方は上部液晶がほとんど消えているがボタンを何回押せばフラッシュOFFになるか等だけ覚えておけば何とかなる。どうせならとパノラマモードで遮光板固定改造して周辺減光も楽しむ個体にしている。もう片方は奇跡的に液晶が完全に生きているものだったが、今度はもったいなくて常用していない。

「GR」シリーズはコンセプト・デザインを継承し続けた

さて「R1」「R1s」の後、1996年発売の「GR1」で初めて「GR」の名が冠される。当時の高級コンパクトの代表である「CONTAX T2」が1990年発売ということを考えると、Ricohはこの時点では時代を追った形だったのかもしれない。ただし黒いボディに堅実な機能を載せた道具としての「GR」は当時から唯一無二の存在だったのではないか。

その後もいくつかの改良版が出て、2001年発売の「GR1V」でフィルム版GRシリーズは幕を下ろす。フィルム版GRシリーズはそのコンパクトさと写りから今でも人気で価格が中々落ちない機種だ。

進化を続けた GR Digital シリーズ

高級コンデジの先駆者 GR Digital

時代は一息ついてデジタル以降を着々と済ませ、2005年にGRはデジタルカメラとして復活。その初代「GR Digital」は往年のGRシリーズの意匠を継ぎ、単焦点の高級コンパクトデジタルカメラという分野を築き上げた。今度は追われる立場だ。

「GR Digital」は基本コンセプトとデザインを継承しながら2年毎にナンバリングを重ね2011年発売の「GR Digital IV」でシリーズを終える。ちなみに「GR Digital IV」は唯一手ぶれ補正がついている。画質との兼ね合いやシリーズコンセプトを考えると賛否あるようだが(あまり補正がきかない上に画質悪化だけ招いているなど)。

挑戦し続けた4機種

この4機種は機能的には結構進化の差があって吐き出される画の色合いも方向性が違うことから個別にファンが付いている印象だ。今でも比較的安価で手に入りやすいので、GRシリーズの何たるかを味見してみたいならここから始めても良い。

驚くことに「GR Digital」シリーズのバッテリー「DB-65」は後述する「GR」まで含めて共有できる(初代GR Digital用のDB-60は物理的に以降の機種には入らないので注意)。買い増ししても流用できるから安心だ。

このシリーズの中で私が持っているのは「GR Digital III」。他のナンバリングと比べて色味の方向性が違うなんて評価もたまに見かけるが個人的には気に入っている。「GR」購入後はなかなか出番もないけれど手元に置いているのは、単純なスペック的な画質や機能どうこうではなく画作りが好きだからだ。今の時代の機種と比べれば当然画質は低いのだが、フィルムカメラで撮っているような粒状感がある。またこの時代はまだセンサーがCMOSではなくてCCDの時代。今見返すと何かノスタルジーを感じる色乗りがあるからかもしれない。

改めて「GR」の登場

APS-Cセンサー搭載で別次元に進化したGR

さてさてここからまた数年おいて、2013年に「GR」が登場。

大きく変わったのはセンサーだ。前機種「GR Digital IV」の【有効画素数1,000万画素、1/1.7型CCD】から【有効画素数約1,620万画素、APS-CサイズCMOS】へ進化した。これはセンサーサイズが約8.8倍に大型化したということ。これに伴いレンズのサイズもカメラ本体のサイズも全体として大きくなる。

正直なところ、サイズ感からいくとこの「GR」以降はそれまでとは一線引く感じだなと個人的には思う。もちろん基本コンセプトやデザインは「GR1」の流れを受け継いでいるが、これ以降ポケットに入れるにはちょっときつくなるわけ。道具としての位置付けで考えるとサイズ感ってとても大事で、さらにCCDセンサーはフィルム時代の面影をその光に残していて、それが「GR」からは全く別の次世代デジタルのフィールドに入ったように思う。あくまで個人的なイメージなのでご了承いただきたいが。

ここに来て写りもさすがに進化した。2018年現在でも例えばミラーレス一眼の主流はAPS-Cサイズだ。フルサイズミラーレスも盛り上がっていて面白いがこちらは価格帯が結構高い。とするとセンサーサイズとしては十分で、個人的に楽しむには取り回しも良いデータサイズ感。さらにシリーズ的には大型化したが他社比較してもまだまだコンパクトで軽量。そしてレンズの写りはRicohなのだから申し分ない。

「写真」という行為が単純に楽しい。それがGR。

あまり難しいことを考えずに設定をいじりながらスナップ的に撮り歩くだけでも楽しい。手ぶれ補正もないがブレだって割り切って楽しめるし、しっかり撮れば夜でも冒頭のような画作が可能だ(ちなみに「GR」で撮るときには三脚持ち歩かないので橋の手すりに置いて画角決めて2秒タイマーで撮ったもの。JPG撮って出し)。

この「GR」の衝撃が大きかったことから、多くのユーザーが通常2年毎にバージョンアップされてきた記憶を元に後継機への期待を高めることになる。そしてRicohのデジタルカメラ事業に関する少々不安になるようなニュースも耳に入りつつ、2015年に「GR II」が発表されると賛否両論が吹き荒れた。

GR II 悲喜こもごも。

「GR II」は正当進化しているものの、アプリによるスマホ連携やWi−Fi・NFC搭載がフィーチャーされると「思ったより変わってないな」という印象がどうしても拭えなかった。例えば高感度に強くなったり、AFが改善されていたり、センサー画素数がアップしていたり、そんなことを期待する人が(私を含めて)多かったのだろう。あとは防塵防滴かな。難しそうだけれど。

センサーゴミの問題はよく言われていて、私も1度クリーニングに出している。まぁ趣味レベルならPhotoshop等でちょっとしたゴミは消せるし、そんなに気にしすぎなくても良い気もする。ゴミ気にせず持ち歩いて数撮ってく方が大切かなと。

Wi-Fiとかスマホ連携については、正直なところSDカードレベルで対応できるんだよね。実際私もFlashAirでの運用しているし。SDカードで直接取り込むのも個人的には手間ではないし。別にそこは「GR」に必須ではなかったなと。そういう方向性じゃないんだよなぁみたいなフラストレーションがおそらくユーザー間であったわけで。

少し前にニコニコ動画のバージョンアップ発表会で炎上していたけれど、あんなイメージ。長年のファンが多くて、開発側もファンの声を大切にしながら一緒に商品・サービスを育ててきて、だからこそ「そっちいっちゃうの?」みたいな所で残念に思うファンが少なくないという。それだけ期待されてきたものだからという証でもありつつ。

もし今これから「GR」を手に入れようと思うなら「GR II」で大丈夫。正当進化はしているし少しでも新しい方が長く使える可能性が高いのはデジタル機械の宿命。ただ前機種でも申し分ないのも確か。個人的には買い換えず前機種を使い続けている。

 

GR 再始動の行方

さて、実はこの「GR II」でRicohの開発は一旦終わった。後継機は絶望的と言われながら数年が経った。だから、2018年に「GR Re-start」のアナウンスを聞いたときには皆飛び上がったに違いない。

2018年9月26〜29日、ドイツのケルンで『Photokina(フォトキナ)』が開催される。おそらくここで発表されるはず。そしてこの記事を書いているのが2018年9月12日。

今夜26時からはAppleの新製品発表会。さらにSonyのαシリーズの新機種も9月中に発表されるとか。そして次期GR。予算がいくらあっても足りないわけで。

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